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超入門 資本論
【第6回】 2014年6月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
木暮太一 [経済ジャーナリスト、一般社団法人 教育コミュニケーション協会 代表理事]

労働時間は増え、給料は下がる!?
誰もが知っておくべき「ホワイトカラー・エグゼンプション」の本当の怖さ

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厚労省が導入を検討している「ホワイトカラー・エグゼンプション」。最近よく耳にするけど、どういうものかよくわからない人は多いはず。果たしてワーク・ライフ・バランスの改善につながるのだろうか? それとも、ますます労働者を苦しめる制度か? 150年前に書かれた『資本論』でも予言されていた、資本主義が必然的に向かう労働者の過酷さとは?

 先日、こんなニュースが流れました。

厚生労働省は(5月)23日、高収入の専門職に限り、働く時間を自己裁量とする代わりに残業代の支払いなどの労働時間規制を適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション」を導入する方向で検討に入った。(産経新聞Webより)

 これは、要するに、特定のホワイトカラー人材には、残業代を支払わなくてもいいようにするという意味です。

 金融機関のディーラーなど、労働時間を自分の裁量で決めやすい職種が「残業を払わなくていい対象」となる見通しです。

 この制度は以前からも導入が検討され、その都度批判の対象になっていました。そして、このニュース発表後、また物議を醸しています。

 田村憲久厚労相は記者会見で、「成果をはかり、効率的に働くことが、ワーク・ライフ・バランスの改善につながる」、という主旨のコメントをしています。

 つまり、労働時間ではなく、成果で給料を払うことが、労働者のメリットになる、ということです。

 たしかに、その側面はあるでしょうが、労働者から見たら「労働条件の改悪」であることは否めないでしょう。労働組合側も、労働時間が長くなるという強い懸念を出しています。

 しかし、この制度で労働者が気をつけなければいけないのは、「長時間労働」だけではありません。今でも、まともに残業代を払っている企業は少数で、当たり前のように残業代なしの超長時間労働がまかり通っています。

 そう考えると、「今と変わらない」とも思えます。しかし、今回の制度は、気をつけなければ新たに労働条件を悪くする可能性を孕んでいます。

『資本論』を書いたカール・マルクスが、150年前に、すでにその危険性を指摘していました。

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木暮太一 [経済ジャーナリスト、一般社団法人 教育コミュニケーション協会 代表理事]

 

慶應義塾大学 経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から難しいことを簡単に説明することに定評があり、大学時代に自作した経済学の解説本が学内で爆発的にヒット。現在も経済学部の必読書としてロングセラーに。相手の目線に立った話し方・伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から高評を博し、現在では、企業・団体向けに「説明力養成講座(わかりやすく伝える方法)」を実施している。
フジテレビ「とくダネ!」(木曜レギュラーコメンテーター)、NHK「ニッポンのジレンマ」、Eテレ「テストの花道」などメディア出演多数。
『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』、『カイジ「命より重い!」お金の話』、『超入門 資本論』など著書多数、累計120万部。

 


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