
実は50代の転職者の4割は前職よりも給与が上がっている。人手不足の今は、幸いなことに未経験の仕事に転職しやすいとも言える。50代の転職成功者は、いったいどんな方法をとっているのだろうか?(生活経済ジャーナリスト 柏木理佳)
履歴書に“目立つもの”がないと
面接に進めない
定年や退職が目の前に迫ってくると、その後の生活はどうすればいいのか、とてつもなく先のことが不安になってきます。60歳近くまで会社のために残業や接待で一生懸命働き、たまの休みはぐったり。とてもじゃないけれど、自分の将来のことを考える余裕はありません。
田澤実さん(仮名・58歳)は、上司から早期退職制度を利用しないかと、毎日、肩たたきに遭っています。
それならばと、簡単に転職先が見つかると思って転職サービス会社に登録し、30社に応募してみることにしました。
しかし、履歴書で落とされてしまい、面接まで進みません。
資格取得も考えてみましたが、もう50歳を過ぎると、動き出すのが億劫です。勉強を続けるための体力もモチベーションも維持できません。
それに、どうせ資格を取得するなら、絶対に使える資格、食いっぱぐれない資格が欲しい……。でも、そう考えて選んでみても、結局、“理想”の資格は見つからず、二の足を踏んでいます。
田澤さんが若かった頃、リカレント教育は今のように流行っていませんでしたし、税理士などの効果的な資格を取得して退社する人は1%程度でした。むしろ、資格取得に励んでいることが会社にバレたら、会社を辞めるのかと警戒され出世コースから外された人もいました。
田澤さんのように資格取得に躊躇してきた人は多いと思います。
しかし、そんな田澤さんは1年後、転職に成功し、なんと給与もアップしました。いったいどんな方法をとったのでしょうか?