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出口治明の提言:日本の優先順位

高齢社会白書を読んで考える
21世紀社会のカギを握るのは住宅政策

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第120回】 2014年6月24日
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 この季節は、政府の各種白書が目白押しに公表される時期だ。白書には多くのデータが記載されており、ある種、情報の宝庫だと言っても差し支えない。これらの白書を読み解くことで、わが国のさまざまな課題が明確な形を伴って浮かび上がる。今回は13日に閣議決定された「高齢社会白書」を紐解いてみたい。

現時点の暮らし向きは心配ないが、
要介護者が急増し、将来の介護者の確保に不安

 65歳以上の高齢者のいる世帯は、2012年で2093万世帯(全世帯の43.4%を占める)であるが、その内訳をみると、単独世帯(1人暮し)が487万世帯、夫婦のみの世帯が633万世帯、合わせて1120万世帯と高齢者世帯全体の53.5%を占める。これに親と未婚の子のみの世帯の411万世帯を加えるとこの3者で約4分の3(1531万世帯)を占めることになり、三世代世帯やその他の世帯はわずか4分の1強にすぎない。1980年には三世代世帯が全体の50%を占めており、この3者の合計が約37%であったことを思うと隔世の感がする。子どもなど若い家族が高齢者の老後をケアするといった一昔前の考え方は、絵空事に過ぎないことがよく分かる。

 60歳以上の高齢者の暮らし向きは、現時点では約7割が心配ないと感じているが、それは、1人当たりの年間所得(195.1万円)が全世帯平均(208.3万円)と大差がないからであろう、また世帯主が65歳以上の世帯の平均貯蓄額は2,209万円で全世帯平均の約1.3倍となっている。その一方で、65歳以上の人口に占める生活保護受給者の割合は2.63%(78万人)と、全人口に占める割合(1.58%)より1ポイントあまり高くなっている。

 高齢者の健康状態を見ると、

(出所:2014年版高齢社会白書 以下同様)

 平均寿命ほどには健康寿命が延びていないことがわかる。しかし男女とも健康寿命は70歳を超えているので、生産年齢人口を20歳~70歳と再定義する試みは、それなりの妥当性を持っていると考えられる。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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