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「引きこもり」するオトナたち

80代母の死で年金頼みの生活が崩壊!
介護職員が見た“丸ごと一家引きこもり”の孤立無援

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第204回】

 これからの日本は、いったいどこへ向かおうとしているのか。

 「総中流」社会から、「生活困窮」「孤立無業」の格差社会へ――そんな時代の流れを象徴するかのように、現場で介護の仕事に従事している職員から、衝撃的な話を聞いた。

 都内の会社で介護職を務めるBさんは、高齢者の介護のために訪れた家庭で、要介護者の息子や娘たちが、奥の部屋の扉を閉めて引きこもっているケースを数多く見てきたという。

 Bさんは、主にケアマネージャーからの依頼を受けて、要介護者の自宅に入り、家事や身の回りの世話などを行ってきた。

 しかし、紹介を受ける相手は、70代、80代といった高齢者が多い。そのため、その息子や娘といっても、年齢は30代、40代、ときには50代を超える。

 まさに、働き盛りであり、傍目から見ると「働けるはず」と思える世代が、いつも家の中にいて、働けない状況にあるというのだ。

 中でも、東京の郊外に住む80代のA子さんの家庭は大変だった。

息子夫婦と孫4人が“引きこもり”
一家の生活費は80代女性の年金頼み

 Bさんが彼女の介護のため、自宅を訪ねると、50代後半の息子夫婦は、2人ともずっと家の中にいて、仕事をしていない状況だった。

 さらに、4人いる20代の孫は、不登校からの延長で、いまも全員、仕事に就くことができずにいた。

 「引きこもり」状態の人たちが増えているのは、なにも少子化・核家族化を背景にした社会特有の問題というわけではない。たとえ、いまどき珍しくなった大家族であっても、A子さんの息子夫婦、孫4人の計6人が、同じ屋根の下で、丸ごと“引きこもり”状態という家庭もあるのだ。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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