グローバルな組織が抱える
コミュニケーションの課題
今回紹介するのは、企業向けSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用し、グローバル組織における「知恵の超高速な共有化」を図った、アクセンチュアのサステナビリティ・サービスグループの取り組みだ。
アクセンチュアは、言わずと知れた世界的なコンサルティング企業。その中で同グループは、社会問題解決をテーマに、スマートシティやインダストリアルパーク、プラントエクスポートといった世界各国のプロジェクトを対象にコンサルティング事業を展開している。
スマートシティプロジェクトだけでも国内外で100以上に参画。日本でいうと、経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証地域」に選定された、横浜スマートシティプロジェクトもその1つだ。ここでは、再生可能エネルギーの導入、家庭・ビル・地域でのエネルギーマネジメント、次世代交通システム開発などが行われている。
グループの日本チームを率いるのは、戦略コンサルティング本部シニア・マネジャーの朝海伸子氏だ。
「日本チームもサステナビリティ・サービスグループのグローバル組織に属しています。日本に十数名、中国に十数名といったようにメンバーは世界各国にちらばっていて、クロスボーダー、クロスインダストリー(事業複合)型の組織になっています」
メンバーはグローバル全体で約200人。朝海氏の直属の上司は、アジア太平洋地域におけるサステナビリティ・サービスを統括するピーター・レイシー氏で、上海を拠点に活動している。
こうしたグローバルな組織の中で、2つの問題意識があったという。
「1つは、時代の最先端の事業ということもあって、この件について新しい情報はないですか、詳しい人を知りませんかといった問い合わせメールがすごく多かったんですね。私の場合、1日に20~30通あり、その返信にかなりの時間を割いていました。そしてもう1つ、各国に分散している組織なので、チームとして一体感を持てるようにしたいという思いもありました」