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「働き方」という経営問題―The Future of Work―

東証上場企業で前例ナシ!
IT社長はなぜシンガポールに住んでいるのか

河合起季
【第3回】 2014年6月27日
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必要だったから
Web会議システムを自社で開発

ブイキューブの間下直晃・代表取締役社長CEO Photo:DOL

 今回紹介する企業は、自社開発したクラウド型のWeb会議システム「V-CUBE」を使い、間下直晃・代表取締役社長CEO自らがシンガポールでテレワークを行うブイキューブだ。現地に1年の3分の2近く滞在し、そこから日本と海外拠点(米国、中国、シンガポール、マレーシア、インドネシア)を指揮する遠隔ビジネスを展開している。

 いまやテレワークは珍しくないが、いかに自社商品とはいえ、社長自身が実践しているケースは稀。このブイキューブとは、いったいどんな会社なのか。

 間下社長が会社を立ち上げたのは学生時代。いわゆる学生ベンチャーだ。モバイルのアプリケーション開発などを業務としていたが、2003年、大きな転機が訪れた。

 「この頃、米国はモバイル向けの技術が日本よりも遅れていたので、チャンスだと思い、ロサンゼルスに子会社を設立しました。しかし、困ったのは社員とのコミュニケーションです。電話やメールでは埒が明かず、思うように話が進まない。当時は社員も少なかったので、私が向こうに行くと日本の仕事が止まり、日本に戻ると米国の仕事がストップする。毎週行くわけにもいかない。どうしようかと思っていたわけです」(間下社長)

 そこで、テレビ会議の導入を考えたが、1000万円近くもかかる高額なシステムには手が出ない。ならば自分たちで作ろうと、インターネット回線を利用したWeb会議システムの自社開発に至る。それが後に、わずか数年で急成長を遂げる推進力となった「V-CUBE」の原型となった。

 「実際に自分たちが使いながら、インターフェースや機能の改善を図っていきました。約1年後、私たちのように離れた場所同士でのコミュニケーションに課題のある会社に使ってもらえるようなレベルに達したので、V-CUBEとして販売することにしました」

 そして、2006年には会社の事業をビジュアルコミュニケーションに特化。社員間のやり取りで毎日使っているヘビーユーザーとして、導入効果には絶対の自信を持っていた。

 だが、V-CUBEはまったくというほど売れなかった。当時はまだ、ビジネスにWeb会議システムを活用するという発想がなかったのだ。

 2年後の2008年9月、この状況をガラリと変える大きな出来事が起きた。あのリーマンショックだ。

 「世界同時不況で多くの企業がコスト削減を迫られるなか、V-CUBEによる出張費削減効果が注目され始めました。たとえば、東京・大阪なら2人往復で約6万円、それを1回Web会議にするだけで、V-CUBEの月額利用料金はほぼ相殺されるという、わかりやすいメリットが響いたんですね」

 そこから、これまで月に10件程度だった問い合わせが一気に10倍超に。さらに、震災やテレワークの普及などから注目度はどんどん高まっていった。そして、V-CUBEはテレビ会議・Web会議のクラウド市場で7年連続シェアNo.1になるという躍進を遂げた。

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人口減少による働き手の不足と経済・社会のグローバル化が、企業経営を取りまく大問題となっている。そのなかで、企業が競争優位性を築くためのキーワードとして浮上しているのが「ワークスタイル変革」だ。識者への取材や企業事例の紹介を通じて、すべての企業と働く人に問われている「働き方」の課題を明らかにしていく。

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