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野口悠紀雄 2040年「超高齢化日本」への提言

高すぎる運用利回りの想定は、
年金財政破綻の可能性を隠ぺいする

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第4回】 2014年7月3日
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 年金財政にはさまざまな要因が影響するため、どの変数が最も重要な影響を与えているのかは明確に把握しがたい。

 最も基本的な変数は、人口である。人口は、経済活動全般について大きな影響を与えるが、社会保障、とりわけ年金については本質的な影響を与える。ただし、ここで重要なのは、人口総数ではなく、人口構造である。

完全賦課方式なら
所得代替率は半分になる

 社会保障財政を考える場合には、高齢者人口に対する若年者人口の比率によって人口構造を見るのがよい。前者が社会保障給付を通じての受益者、後者が保険料や租税を通じての負担者になるからだ。

 以下では、国立社会保障・人口問題研究所による日本の将来推計人口(平成24年1月推計)のうち、出生中位(死亡中位)推計を見よう。

 15~64歳人口(百万人)(以下、労働年齢人口という)をaで表し、65歳以上人口(以下高齢人口という)をbで表す。

図表1に示すように、abは、2010年の2.77から一貫して下落を続け、40年には1.5を割り込んで1.496となる。これは、10年の値の54.0%だ。60年には1.275にまで低下する。

 低下が激しいのは現在から40年頃までの期間であり、とりわけ20年頃までだ。これは、いわゆる団塊世代の動向の影響である。

abに分けて10年と40年の比をとると、aは0.708(年率減少率1.18%)、bは1.312(年率増加率0.94%)である。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 2040年「超高齢化日本」への提言

日本社会は、世界でも稀に見る人口高齢化に直面しており、このため、経済のさまざまな側面で深刻な長期的問題を抱えている。とりわけ深刻なのは社会保障であり、現在の制度が続けば、早晩破綻することが避けられない。この連載では、人口高齢化と日本経済が長期的に直面する問題について検討し、いかなる対策が必要であるかを示すこととしたい。

「野口悠紀雄 2040年「超高齢化日本」への提言」

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