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相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

驚き、嘆き、あざ笑うだけでは何も変わらない!
第二の「号泣県議」を誕生させない眼力の養い方

相川俊英 [ジャーナリスト]
【第101回】 2014年7月8日
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「号泣県議」はなぜ選ばれてしまったか?
議会改革は議員定数・報酬の削減にあらず

 西宮市民も「誰に投票しても同じだ」と思って、うっかり票を入れてしまったのだろうか。それとも「西宮最後の希望」というキャッチフレーズに、幻惑されてしまったのだろうか。いずれにせよ、世界中に日本の恥を晒すはめになった。例の「号泣県議」(野々村竜太郎・兵庫県議)の一件だ。

 まさに「後悔先に立たず」である。カラ出張など政務活動費の不正疑惑に決着はついておらず、兵庫県民はとても平常心ではいられないだろう。

 とんでもない地方議員は兵庫県議会のみならず、日本各地に数多く生息する。さすがに号泣県議クラスは珍しいが、セクハラヤジを連発させた都議のように「社会人としてアウト」という議員は少なくない。

 本来の役割を果たさずに議員特権の上に胡坐をかき、破廉恥な不祥事を引き起こす困った先生たちが後を絶たない。むしろ、議員・議会の劣化が全国的に加速していると言える。

 これまでも議員・議会の醜態が表面化する度に、住民は怒りと嘆きの声を上げた。「議員・議会はけしからん」という思いが膨らみ、議員定数や議員報酬の削減を求める運動が始まるケースもある。

 しかし、そうした運動が実ることは少ない。定数・報酬ともに決定権は当の議会が握っているからだ。それに、そもそも議員の数を減らすことと議会の質を高めることはイコールではなく、定数・報酬削減は議会改革とは言い難い。

 住民の憤怒のエネルギーは事態改善につながらず、結局、でたらめ議員・議会に対する住民の怒りは時の経過とともに薄らぎ、無力感や無関心にとって代わられてしまうのである。「誰に票を入れても同じだ」とのやるせない思いがまたぞろ復活し、本来の役割を果たさぬ議員・議会がぬくぬくと生きながらえることになる。

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相川俊英 [ジャーナリスト]

1956年群馬県生まれ。放送記者を経て、1992年にフリージャーナリストに。地方自治体の取材で全国を歩き回る。97年から『週刊ダイヤモンド』委嘱記者となり、99年からテレビの報道番組『サンデープロジェクト』の特集担当レポーター。主な著書に『長野オリンピック騒動記』など。


相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

国政の混乱が極まるなか、事態打開の切り札として期待される「地方分権」。だが、肝心の地方自治の最前線は、ボイコット市長や勘違い知事の暴走、貴族化する議員など、お寒いエピソードのオンパレードだ。これでは地方発日本再生も夢のまた夢。ベテラン・ジャーナリストが警鐘を鳴らす!

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