世界最大の食品メーカー、ネスレの関連会社で、日本でも馴染みのあるバリスタシステムの原型ともなった、コーヒー・コーヒーマシン・関連サービスを一貫で販売するネスプレッソ。来日したジャン・マルク・デュボアザンCEOに日本市場への投資拡大の理由を聞いた。(聞き手/週刊ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
1959年生まれ。86年ネスレ本社・中東諸国マーケティング担当、89年ネスレコロンビア・マーケティング&セールス担当、97年ネスレ本社・米州地域オペレーションマネジャー、99年ネスレエクアドルCEO、2003年ネスレボリバリアンリージョンCEO、04年ネスレメキシコCEO、07年ネスレ本社シニア・バイスプレジデント コーポレート人事ヘッド、10年ネスレデピュティ・エグゼクティブ・バイスプレジデント人事総務、13年から現職
Photo by Masato Kato
――ネスプレッソのビジネスモデルはどのようなものですか。
ネスプレッソは、25年前に開発された、コーヒーエキスをカプセルに封入する技術から生まれたビジネスです。
カプセルをマシンにセットしスイッチを押すだけで、“バリスタ”が作る最高級のコーヒーを誰でも手軽に作ることができる。22種類の世界の様々な産地のコーヒーを、ストレートのみならずカプチーノやエスプレッソなど様々な飲み方で味わえます。
さらにこのシステムを、カプセルとマシン、サービスをセットにしてメーカー直販で提供するビジネスモデルを考案しました。小売りの手を通さず、マシンの開発やデザイン、カプセルの生産や開発、さらにカスタマーサービスも専門のユーザー組織を作り、すべて自社で行っています。使うコーヒー豆も、全コーヒー豆市場の1~2%しかない最高級の豆しか使わない。全世界の6万5000人の農家と契約し、豆を直接仕入れています。ちなみに、インターネット経由でコーヒーを直販するビジネスを最初に手がけたのも我々です。