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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

急成長する中国の国際電子商取引
サービス提供企業も多士済々

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第214回】 2014年7月10日
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 エンドユーザーをビジネスの中核にする日本のある上場企業が社内の幹部会で2030年への展望を披露した。しかし、ネットビジネスにはまったく触れなかった。同社の中国人社員がため息をつきながら、私のところに来て転職についての相談を持ちかけてきた。「中国出張で見たビジネス風景とはあまりにも離れすぎていて、会社の将来に希望を持てなくなった」と。

年率30%成長予想の国際電子商取引

 その気持ちは痛いほどわかる。近年、中国では、従来型貿易の成長が鈍っている。しかし、その一方で、国際電子商取引は急速に伸びている。中国商務部のデータによれば、2011年の中国の国際電子商取引額は1.6兆元で前年同期比33%増、2012年は2兆元で前年同期比25%増であったのに比べて、同じ時期の従来型の対外貿易の伸びはわずかに6.2%に過ぎなかった。

 そのため、国際電子商取引は大きな潜在力を秘めており、将来的に中国の外国貿易の重要な成長株となるであろうと人々が見ている。中国商務部の推定では、2013年に3.1兆元を突破した中国の国際電子商取引規模は2016年には6.5兆元に達し、年平均成長率は30%近くなるだろう、という。

「海淘」、「海代」が人気のショッピング方式

 日本の読者に、中国の国際電子商取引の現状を知っていただくため、中国の国際電子商取引関連の公式発表資料をもとに下記のようにまとめてみた。

 B2B貿易が中国の国際電子商取引のなかで主導的な地位を占めている。アリババ、環球資源、中国製造網、敦煌網などといった電子商取引プラットフォームを利用して自社製品の情報を掲示し、顧客企業を獲得して取引を行う。企業が独自にB2Bサイトを立ち上げている場合もある。蘭亭集勢(Light In The Box)、易宝、唯品会などがその典型例である。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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