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野口悠紀雄が探る デジタル「超」けもの道

人名データベースの「超」活用法

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第21回】 2008年4月14日
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 10年ほど前まで、インターネットの人物データ・人名データはあまり充実していなかった。2001年に刊行した『インターネット「超」活用法2001』(講談社)で、私は「インターネットでは、人物情報の優れたものは少ない。この目的のためには、有料のデータベースを使わざるとえない」と書いた。

 しかし、これに関する状況は、その後かなり変わった。これは、インターネット上のフリー百科事典Wikipediaが登場したことの影響が大きい(英語版は2001年に発足)。いまでは、役に立つ人物データを、多数インターネット上で見出すことができる。

 当然のことだが、調べたい人名がわかれば、その人に関することは、(インターネットのどこかに記事がある限り)すぐわかる。それだけでなく、人物は強力な検索語でもある。実際、歴史上の事件であれば、それに関係する人名で検索することによって、ほぼ確実に目的にたどり着くことができる。逆に、人名がわからないと、探し出せないことが多い。歴史上の事件の呼び方が数通りあり、どちらが使われているかわからない場合も多いからだ。また、異なることが同じ名前で呼ばれていることもある。第16回で述べた「GPT」がその例である。このときは、人名がわかりさえすれば、探すのはきわめて簡単だった。

 ただし、人名が確実にはわからないことも多い。日本人であっても、姓だけしかわからないと、斉藤、田中などの一般的な姓の場合には、ヒット数が多くなりすぎて目的にたどり着けないことがある。外国人について外国語の資料を探す場合、人名の正確なスペリングがわからないことが多い(とくにロシア人の場合)。また、そもそも探し出したい人名自体を知らない場合もある(たとえば、「イギリス人のヴァイオリニストとしてはどんな人がいるのか?」など)。第16回で述べたのも、人名を忘れてしまったケースだった。

 このような場合、分野ごとの人名録を知っていると便利だ。  

非常に充実している
WikipediaのBiography

 インターネット上のフリー百科事典Wikipedia(英語版)は、人名に関してシステマティックに組み立てられているので、大変便利だ。まず、Portal:Biographyを開き、そこにあるCategoriesの欄から徐々に下位概念に降りてゆく。数回の移動で目的の分野に簡単にたどり着ける。

 たとえば、学者であれば、Academics by subjectのページを開いて、分野を選べばよい。大学別のリストなどもある(ただし、日本の大学としては、京都大学しか入っていない。中国の大学は5校が入っているにもかかわらず!)。

 「イギリス人のヴァイオリニスト」を調べたいのであれば、Musiciansのカテゴリーから、Musicians by instrument → Violinists → Violinists by nationality → British violinistsと辿ってゆけばよい。

 なお、開いた人物ページにはExternal links(外部リンク)が記されている場合が多いので、それを参照してさらに詳しい情報をうることもできる。

 一般的な事項の場合には、Wikipediaのサイトを出発点とすることが格別便利だとは思わない。普通は、Wikipediaのサイトから入るというよりは、「グーグルなどの検索エンジンで検索して、Wikipediaの項目にヒットする」という場合が多いだろう。しかし、人名については(とくに、検索対象をはっきりと確定できない場合には)、「Wikipediaから入る」という方法が有効だ。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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