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山田厚史の「世界かわら版」

脱安倍へと動き出した民意
滋賀知事選の目覚まし効果

山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]
【第65回】 2014年7月17日
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選挙戦終盤に潮目が変わる

 「知名度が十分でなかったなど敗因はいろいろあろうが、率直に反省しなければいけない」

 滋賀県知事選に擁立した元経官僚の小鑓(こやり)隆史氏が惜敗、自民党の石破茂幹事長は敗北の理由に口ごもった。自民支持層が盤石でない地域、予想外に鈍かった公明党の動き、知名度が低い候補者……。理由を挙げればいろいろあるが、小鑓優位が伝えられた選挙情勢に異変が起きたのは選挙戦終盤だった。潮目は集団的自衛権を容認した閣議決定。この事実を自民党はどう分析するのか。

 「ツバメが一羽飛んだからといって夏が来たわけではない」という警句がある。

 早合点は禁物ということだ。琵琶湖という水がめを抱え環境問題に敏感な風土が、しなやかな反権力の嘉田由紀子知事を支えてきた滋賀である。小鑓候補は嘉田県政の弱点とされる経済課題を挙げ、ひたすら地元の活性化を訴えた。原発の争点化を避けるおなじみの選挙戦術だったが、終盤に自民党が党を挙げて応援に乗り出したことで争点は一気に国政へと移った。

 福井に密集する原発に万が一のことが起きたら、取り返しのつかない事態が起こるという根強い危機感が地元にはある。再稼働をもくろむ現政権が、力ずくで勝ちを取ろうと押し寄せて来れば地元に反発は起こる。

 選挙結果は滋賀の事情を考慮する必要があるだろう。だからと言って7月1日の閣議決定が局面に及ぼした事実を消すことはできない。

 直後の世論調査で安倍政権の支持率は軒並み下がった。共同通信では支持率が前回を4.3%下回りは47.8%、読売新聞は9%下落の48%、いずれも初めて50%を下回った。比較的高い支持率が出るJNN世論調査では52.4%だったが、前回調査に比べ10.9ポイントも下落、不支持率が10ポイント上昇した。

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山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]

やまだ あつし/1971年朝日新聞入社。青森・千葉支局員を経て経済記者。大蔵省、外務省、自動車業界、金融証券業界など担当。ロンドン特派員として東欧の市場経済化、EC市場統合などを取材、93年から編集委員。ハーバード大学ニーマンフェロー。朝日新聞特別編集委員(経済担当)として大蔵行政や金融業界の体質を問う記事を執筆。2000年からバンコク特派員。2012年からフリージャーナリスト。CS放送「朝日ニュースター」で、「パックインジャーナル」のコメンテーターなど務める。

 


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元朝日新聞編集員で、反骨のジャーナリスト山田厚史が、世界中で起こる政治・経済の森羅万象に鋭く切り込む。その独自の視点で、強者の論理の欺瞞や矛盾、市場原理の裏に潜む冷徹な打算を解き明かします。

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