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【神奈川県】「動」と「静」エリアで傾向が分かれる

都道府県データ:Vol.14

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第14回】 2009年7月17日
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 神奈川県は、千葉県、埼玉県と並んで、首都・東京と隣接しているせいもあり、その地域性を東京に吸い取られる一方である。その昔──高度経済成長期に入る前あたりまでは、この三県にもそれぞれ個性があったに違いない。

 しかし、神奈川県の主要な部分はもともと、現在の東京都と同じ「武蔵」という国に属していたから、きわだった県民性がなかった。「相模」国に属していた県西部はそれほどでもないが、神奈川県の人口のほとんどは旧武蔵に偏っているため、旧相模はどうしても影が薄いのだ。

 おもしろいのは、県都・横浜よりも、県名の神奈川のほうが知名度の点でいまイチということである。といって、神奈川イコール横浜ではないし、ましてや川崎では決してないだろう。そのこと一つとっても、神奈川の県民性を論じるのはかなり難しい。

エリアによって「静と動」の差が見られる…

 旧武蔵(横浜・川崎、三浦半島など)は、江戸・東京に近いぶん、また、幕末期から海外との接点もあったから情報の入手も早く、進取の気性に富んでいる。早い時期から都会化されてきたから、ウエットな人付き合いは苦手だし、むしろそうしたものを好まない。また、人生の基本は「動」と考えている人が多いはずである。しかも、東京で吸収しきれない地方出身者の家族が多く、そうした傾向にますます拍車をかけている。

 それに対し旧相模エリアは農業・林業がベースだから「静」が基本になっており、そのぶん保守的である。ムラ社会的な部分も多分に残っており、世界的な大都市がすぐ近くにあるだけに、それがけっこうコンプレックスともなっていそうだ。

 結局、今となっては、これといった県民性のない県の筆頭になっていると言わざるをえない。

 ただ、それでも東京人ほど精神的なタフさが要求されないから、多少はのんびりしたところがあるのが救いだろう。海に向かって大きく開け、そのうえ富士山が東京よりも近くに見える環境が、そうした気質を培うのにひと役買っている。どんなことも受け入れ、好奇心も旺盛な都会人として接すると万事うまくいくはずである。

 

◆神奈川県データ◆県庁所在地:横浜市/県知事:松沢成文/人口:879万1597人(H17年)/面積:2416平方キロメートル/農業産出額:755億円(H17年)/県の木:イチョウ/県の花:ヤマユリ/県の鳥:カモメ


データはすべて、記事発表当時のものです

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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