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ソーシャルウェブ革命の衝撃

効率一辺倒の経営モデルから脱皮!
デルが顧客との対話に目覚めた

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第4回】 2008年7月24日
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 新たな企業モデルの柱となるエモーション×コミュニケーションという鍵について、前回に引き続き今回もコミュニケーションを中心に先進例について議論したい。

 前回まで述べたザッポスの例は新たな企業モデルとして特筆される。コールセンターによるザッポスならではの感動重視の電話での対話に加え、ツイッター(twitter.com)などソーシャル・ウェブを活用して顧客コミュニケーションを大きくそしてリアルタイムに拡張している。

 片や、第2回で企業モデルとして壁にぶちあたったと指摘したデルも大企業としては先進的なコミュニケーションへの取り組みをしている。最近はソーシャル・ウェブの活用事例ではデルを外すわけにはいかないと言われているほどだ。

 かつてのデル・モデルから、デル自身が進化しようとしているのだ。しかし、そこに至るきっかけはソーシャル・ウェブによる苦い経験だった。

ブロガーの猛烈な批判を受けて
エモーション経営に舵を切ったデル

 2006年ごろからデルの業績が厳しくなったと第2回に書いたが、顧客満足度は2005年から下がり始めていた(American Customer Satisfaction Index)。その2005年の夏に象徴的な事件が起きた。

 ブロガーとしても著名なジャーナリストのジェフ・ジャーヴィス氏が、彼の買ったデル製品・サービスプログラムのひどさを「Dell lies. Dell sucks.(デルはウソつき。デルはひどい)」と自身のブログにつづった。

 しかも、修理後のコンピューターも使いものにならず、彼はデルの対応を数回にわたり「Dell hell(デル地獄)」と題して書き、多数のブログがこれを引用・リンクした

 しかし、ジャーヴィス氏がデル幹部に連絡するまで、デルはこの問題に対して特段の行動はとらなかったのである。

 この例のように個人の体験が単なる情報としてだけでなく怒りなどのエモーションとともに、ソーシャル・ウェブによって多くの人々にあっという間に伝播する。これに他の顧客の同様な体験と感情が重ねられ、大きな非難と不信へと連鎖していくのだ。これがエモーション×コミュニケーションの怖いところだ。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


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