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定年前にたそがれない!50代からの人生リセット術 野田稔

暑苦しい上司と一見何もやらない上司
それぞれのリーダーが最も活躍できる組織の特徴

野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]
【第20回】 2014年8月4日
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リーダーにできる行動は
パフォーマンスとメンテナンスだけ

前回は、リーダーシップを発揮するための土壌づくりについて解説した。では、リーダーシップを発揮できる土壌ができたらどうするか。ここから先は一気に行きたいところであるが、実は、リーダーにはできることが意外に限られているものなのだ。

 リーダーができることは大きく分けると2つしかない。

 図は、三隅二不二先生(九州大学)のPM理論に基づく図だ。

 Pとはパフォーマンスで、成果を求めて部下を厳しく導くことを意味する。目標を決め、スケジュールを決め、やるべき仕事を決める。それで「行けー!」とお尻を叩く。これをパフォーマンス行動=P行動という。

 もう1つは、組織の和を保つ行動。これをメンテナンス行動=M行動という。組織メンテナンスである。具体的に言うと、一人ひとりの心の状態に気を配り、一人ひとりのやる気を見る。部下同士の人間関係がしっかりと構築できているかどうかを小まめにチェックする。そうすることで部下たちがその組織に安心していられるようにする行動を指す。

 こうしたP行動とM行動がリーダーのできる大きな2つの行動だといわれている。どんな学者が研究してもだいたい同じ答えが出るので、今や不変の2軸といわれるようになった。

 図を見ると、PMという形で、両方ができる人間が万能選手のように思えるかもしれない。当然そうなのだが、使い分けが必要で、PとMを同時に使うのがいいとは限らない。組織の状況に合わせて、自分のリーダーシップスタイルを使い分けられることが大切なのだ。

 たとえば、すごく和気藹々として皆、仲がいいけど、ちょっとぬるま湯すぎて、それで成績が落ちている、そういうぐずぐずの組織だったら、Pモードを優先させたほうがいい。

 そんな時に、「皆、元気か?」などと気を配っても、それは意味がない。たいして頑張っていないのだから当然元気だろう。

 一方、抜きつ抜かれつで切磋琢磨と言えば聞こえがいいけど、足を引っ張る奴も出てくる。壊れる奴も出てくるようなところで「行け、お前ら!」とやったら、それこそ死人が出るかもしれない。だから、そこは当然、メンテナンス行動が必要になる。「ここらで一度立ち止まって、話し合おう」と言うのがいい。要するに時に応じて、PかMかを使い分ける必要がある。

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野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]

明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授/株式会社リクルートホールディングス リクルートワークス研究所 特任研究顧問。野村総合研究所、リクルート社新規事業担当フェロー、多摩大学教授を経て現職に至る。日本テレビ系列「ズームインスーパー」、NHK総合「経済ワイドビジョンe」「Bizスポワイド」、NHKEテレ「仕事学のすすめ」などメディアでも活躍。主な著書に『組織論再入門』『中堅崩壊』(以上ダイヤモンド社)、『二流を超一流に変える「心」の燃やし方』(フォレスト出版)『企業危機の法則』(角川書店)など多数。


定年前にたそがれない!50代からの人生リセット術 野田稔

大企業の中に、500万人近くいると推計される雇用保蔵者。役職定年者を中心に、もし自分が雇用保蔵人材と認定されているとしたら、どのように自らのキャリアを考え、建て直していくべきなのか。50歳で人生を黄昏(たそがれ)にしないためのマインドセットと自分を変えるための方法論とは……?

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