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まっすぐ バカ正直に やり続ける。
【第5回】 2014年8月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
豊﨑賢一 [株式会社あきんどスシロー代表取締役社長]

【スシローの哲学】「仕事でコケたっていい」
反省するより、速く立とう!

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30年前、一軒の寿司屋がはじめた回転寿司チェーン「スシロー」。利益を二の次に、ひたすら「味」にこだわり続けた結果、業界トップ、年商約1200億円、年間来客数のべ1億2000万人の国民的企業に成長しました。はげしい競争を勝ち抜いてきた「スシロー」の仕事哲学・商売哲学をまとめた本『まっすぐ バカ正直に やり続ける。』から、一部をご紹介していきます。

ピンチのときこそ、
チャンスに変わる。

人も会社も、一直線に成長することはない――

 私は、そう思います。

 ガムシャラに頑張ってもうまくいかず、途方に暮れる。
 少しうまくいっても、また新しい壁にぶつかってしまう。
 そして、階段の「踊り場」のような場所でもがき苦しむ……。
 それが、当たり前のことだと思うのです。

 そもそも、仕事に失敗はつきものです。
 思うようにいかず、グチャグチャになってしまうこともあります。
 私もかつて経験しましたが、そんなときはつらい。お客様に怒られ、がっくりと落ち込んでしまうこともあります。

 だけど、私はそれでいいと思っています。
そのときはツラいけど、失敗を経験することは決してマイナスではありません。そこから学ぶことで、大きく成長することができるからです。

 たとえば、スシローのある店長は、こんな失敗を経験しました。
 時は大みそか。多くのお客様が、ご自宅で寿司を食べるためにテイクアウトの予約をしてくださいました。
 店長は、そのご要望にできるだけ応えようと、どんどん受注。正直なところ、売上も意識したと思います。

 ところが、完全にキャパシティをオーバー。
 お約束した時間にご用意することができず、2~3時間お待ちいただかなくてはならなくなりました。最後には、閉店時間に間に合わず、50~60人ものお客様にお寿司をお渡しできない事態に立ち至ってしまいました。
 もちろん、お客様はお怒りになりました。大みそかの夜に家族で寿司を囲むことを楽しみにされていたのですから、当然のことです。

 店長は泣き崩れて、列をなしてお待ちいただいているお客様の前で土下座をして謝るしかありませんでした。お客様は寛容でした。「そこまでされたら、もうええわ」と、その場ではお許しくださったのです。

 その話は、すぐに社長である私のもとに届けられました。
 ピンチのときこそチャンスに変えるきっかけになると思った私は、すぐに指示を出しました。

 「ご迷惑をおかけしたお客様のリストと電話番号があるのだから、全部お電話を差し上げて、商品券をもってお詫びに伺いなさい」

 店長ひとりでは無理だから、数店舗を管理している課長やパートさんら従業員も総動員。「ご迷惑をおかけしました。勝手なんですけど、よろしければまた食べにきてください」と丁寧にお詫びしたうえで商品券をお渡ししていったのです。10日ほどかかりましたが、すべてのお客様のもとを訪問しました。 

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豊﨑賢一(とよさき・けんいち) [株式会社あきんどスシロー代表取締役社長]

1965年徳島県生まれ。高校卒業後、大阪阿倍野の寿司屋「鯛すし」に就職。その直後の1984年、創業者・清水義雄氏が回転寿司に参入。お客様に「安いし、こんなにおいしい!」と喜んでもらうために、創業当初から「原価率50%」を貫くほか、加工、調理、回転レーンの管理まで、ひたすら小さな工夫を積み重ね、圧倒的な「商品力」をつくり上げた。 2009年に社長就任。約500億円(07年度)だった売上を約1200億円(13年度)に伸ばし、業界トップに躍り出る。また、09年度、11年度には顧客満足度指数調査(経済産業省)で、飲食部門第1位を獲得。現在、2020年度までに売上2000億円を達成すべく陣頭指揮をとっている。


まっすぐ バカ正直に やり続ける。

30年前、一軒の寿司屋がはじめた回転寿司チェーン「スシロー」。利益を二の次に、ひたすら「味」にこだわり続けた結果、業界トップ、年商約1200億円、年間来客数のべ1億2000万人の国民的企業に成長しました。はげしい競争を勝ち抜いてきた「スシロー」の仕事哲学・商売哲学をまとめた本『まっすぐ バカ正直に やり続ける。』から、一部をご紹介していきます。

「まっすぐ バカ正直に やり続ける。」

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