ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
出口治明の提言:日本の優先順位

日本の企業統治改革を考える――株主総会の分散、社外取締役の人材確保がポイント

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第124回】 2014年8月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 わが国の成長戦略の柱の1つとして、企業統治改革の検討が進んでいる。今年の2月に金融庁は「責任ある機関投資家の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)」を公表したが、5月末の初回の受け入れ表明の期限までには、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や大手投資顧問、大手生保など127社の機関投資家が受け入れを表明し、順調な滑り出しを見せた。

 6月には政府が成長戦略の改訂版を公表したが、その中で、企業統治の強化と「コーポレートガバナンス・コード(企業統治コード)」の策定が謳われている。具体的には、東京証券取引所と金融庁を事務局とする有識者会議で検討を開始し、これをベースに東証が来年の株主総会シーズンに間に合うようにコーポレートガバナンス・コードを策定することになるだろう。

 こうした一連の改革は、わが国企業の「稼ぐ力」を取り戻すために、即ち企業価値の最大化を企図して行われるものだが、企業統治改革を有効に機能させるためにはどういった問題を解決していかなければならないのだろうか。

総会の分散が必要

 まずスチュワードシップ・コードから考えてみよう。機関投資家が株主総会に出席して的確な意見を述べるためには、議案を検討する時間がある程度は必要になる。ところが2014年3月期決算会社の定時株主総会の開催日を見ると次の通り6月下旬の1週間に大半が集中していることが分かる。

 これでは、招集通知が2週間前に発送されたとしても、各社の議案の分析・検討に十分時間が割けるとはとうてい思われない。では外国ではどうなっているのだろうか。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

⇒バックナンバー一覧