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金融市場異論百出

地区連銀候補だったボルティモア
米東海岸の港町に見る栄枯盛衰

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2014年8月12日
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 先日、米国東海岸の港町、ボルティモアに行く機会があった。インナーハーバー(内港)地区は観光客で大変なにぎわいを見せていた。

ボルティモアで再開発されたインナーハーバー(内港)。観光客誘致としては成功しているが、人口減少が悩みの種だ
Photo by Izuru Kato

 1980年頃から再開発が進められた同地区は、全米有数の巨大水族館などで構成され、近くには美しく整備されたボルティモア・オリオールズの球場もある。この辺りだけを見れば活気ある街なのだが、実はこの都市は深刻な人口減少に長く悩まされてきた。50~70年代は90万人台だったのに、2000年代に入ると60万人台前半まで落ち込んだ。

 ピークから3割以上も減っただけに、華やかなインナーハーバーから少し離れると、目抜き通りであってもビルの多くはテナントが入っていない。窓がべニヤ板で覆われているか、「For Rent(空室あり)」がやたらと目立つ。

 ボルティモアはワシントンから北東に普通電車で1時間ほどの距離にある。19世紀前半には全米で人口2位の大きな街だった。1913~14年にFRBの地区連銀の配置を議会が決める際には、有力候補都市の一つだった。

 この第5地区では、当時、民間銀行の貸出金額、預金額は、ボルティモアが他の都市を圧倒していた。しかし、最終的にリッチモンドで決まったのは、金融行政に多大な影響力を持つグラス上院議員(後の財務長官、銀行業務と証券業務を分離したグラス・スティーガル法でも有名)が地元へ強力に誘致したからだと見なされている。もし彼がいなければ、ボルティモア連銀になっていたかもしれない。

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