前回から、日本人の英語学習にまつわる「非常識」を解き明かしている本連載。今回は、長年の研究のすえ「発音こそが、すべての英語学習の基礎」という結論に至り、著書『1年海外留学するよりも英語がうまくなる 完全独習英語発音トレーニング』を刊行した竹内真生子さんに、なぜ、発音ができれば英語がうまくなるのか、その秘密を明らかにしていただきます。

 なんでも、正しい発音を身につければ、リスニングやスピーキングばかりでなく、リーディングやライティングまでメキメキ上達するそうです。それは、一体なぜなのでしょうか?

発音で4つの英語の基本スキルが同時にアップする

 前回は「正しい発音を身につければ、英語はできるようになる」という話をしました。今回は、その理由をもっと詳しく説明していこうと思います。

 最大の理由は、発音がすべての英語学習の基礎だからです。

 英語には次に挙げる4つのスキルがあります。

1‐リスニング力(聞く力)
 2‐スピーキング力(話す力)
 3‐リーディング力(読む力)
 4‐ライティング力(書く力)

 この4つのスキルすべての基礎となるのが「発音」なのです。

 たとえば、リスニング力について考えてみましょう。日本で生まれて日本で教育を受けた人、つまり日本語を母語としている人が知っている音は50個しかありません。ところが英語には母音と子音を合わせて65個も音があるのです。母音の数だけを比べても、日本語は「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」の5つしかないのに対し、英語は37個もあります。では、5個の母音しかしらない人がいきなり37個も母音がある言葉を聞いたら、どうなるでしょうか?

 当然、知らない音がいくつも出てきます。この時、脳は自動的に「知らない音」を「似ている音」に置き換えてしまいます。つまり英語本来の音を無視して、カタカナ語として理解してしまうわけです。read(読む)とlead(導く)はまったく異なる単語ですが、同じように「リード」と聞き取ってしまいます。他にも、butとbatを「バット」、carsとcardsを「カーズ」など、このような例は数えきれないほどあります。

頭のなかで、「英語の音→カタカナ」と置き換えをやっている限り、ナチュラルスピードでネイティブの英語を理解できるようにはならないのです。