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週刊・上杉隆

五輪招致落選で改めて感じた石原都知事の環境問題への“本気”

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第96回】 2009年10月8日
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 羽田空港からの特別便でコペンハーゲンに飛んだ。一部、応援弾丸ツアーに同行してのIOC総会の取材がその目的だ。1泊4日、50万円の往復航空券は決して安くない。だが、筆者にはどうしても現地で直接、取材をしたい理由があったのだ。

 記者クラブ制度のある日本と違って、海外取材の公平さは実に気持ちがよい。IOC総会も他の国際会議と同様、インターネットで申し込めばちゃんと取材許可が下りる。ブラジル、スペイン、米国の代表団への取材も自由だ。制限されているのは日本の首相だけというのは日本人としてなんという皮肉だろう。そろそろ日本の国民もフリープレスの原則に気づいてほしいものだ。

 さて、IOC総会の話に戻そう。2016年のオリンピック開催地レース、コペンハーゲンでの最終選考に残ったのは、東京、リオデジャネイロ、シカゴ、マドリッドの4都市だった。各国代表は、それぞれのプレゼンテーションに臨み、夕刻の結果発表を待つ。それを受けて、それぞれの都市の代表団が記者会見を行う。

 先に述べた通り、日本の首相以外の会見については筆者も自由に出席できる。もちろん質問も可能だ。そこで、今回の取材旅行の唯一の目的である石原慎太郎都知事へのある質問を携えて、会見場に向かった。

 「東京が落ちたことは本当に残念だが、日系人の多いブラジルに決まったことはある意味良かった。なにしろ、リオデジャネイロのブラジルが、BRICsでは唯一、京都議定書にサインしていて、環境に配慮した五輪になるだろうし」

 落選が決まった直後の記者会見で石原知事はこう語っていた。

 今回の東京のプレゼンテーションは環境重視で一貫していた。石原知事のみならず、政府専用機で駆けつけた鳩山首相も環境重視を打ち出し、歩調を合わせていたのが印象的だった。

 鳩山首相はもともとは東京オリンピックにかなり慎重な立場だったのだ。だが、環境問題という共通のテーマが、かつての敵味方をつなげる役割を果たしたのだろう。

 日本の報道では、リオ決定に際して、石原都知事はIOCへの不満ばかりを口にしていたとあるが、実際は、歓迎しているコメントも出していたのだ。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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