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違約金だけではないスカイマーク救済の障害
強みの「無借金経営」と「リース債務」が裏目に

ダイヤモンド・オンライン編集部
2014年8月22日
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7月末、エアバスから購入予定だった大型機の契約解除が、一気に経営問題に発展したスカイマーク。エアバスが請求する違約金約700億円を払わなければならない事態になれば、自己資本わずか389億円のスカイマークが破綻するのは必至だ。8月19日には、マレーシアのLCC、エアアジアによる救済検討も報道されたが、エアアジアは本気で触手を伸ばすだろうか?(ダイヤモンド・オンライン編集部 津本朋子)

 「エアアジアがスカイマークに出資などの協力を打診」――。8月19日、この報道を受けてスカイマーク株は急騰、ストップ高で取引を終える騒ぎとなった。同日、エアアジアCEOのトニー・フェルナンデスはツイッターで「スカイマークに興味はない」とコメント。真偽のほどが分からないままだが、果たしてエアアジアにとって、スカイマークへの支援は「美味しい果実」なのだろうか?

拡大戦略の失敗とLCCの台頭で
本業の不振も加速

 スカイマークの現状をおさらいしよう。7月末にエアバスから突きつけられた、「A380」6機の契約解除。約1900億円もの巨額契約だったため、スカイマークの支払い能力にエアバスが疑問を持ったのだ。前払いしている約260億円は戻ってこないと見られるが、それ以上に問題なのは、エアバス側が、さらに追加で700億円もの違約金を請求していることだ。金額は今後の交渉次第で減ると見られるが、財務基盤が脆弱なスカイマークにとっては大打撃だ。

財務基盤のもろさと無謀な拡大戦略が相まって絶体絶命の危機に陥った。西久保愼一社長がどんな決断をするか、注目される
Photo:JIJI

 スカイマークの自己資本は、2014年6月末で約389億円。航空機はすべてリースでまかなっており、現在は33機。拡大路線を走ることで、提供座席と運航距離を掛け合わせた「座席キロ」という指標は、3年前と比べて倍増した。

 羽田を中心としたドル箱路線で、日本航空(JAL)や全日空(ANA)よりも安い運賃設定がウケて、一時期は業績が急拡大していたものの、急速な拡大戦略が裏目に出て採算性が悪化。さらにLCCの台頭で優位性が薄れ、営業利益は12年3月期の152億円から、13年3月期には47億円に減少。14年3月期はとうとう25億円の営業赤字に転じたうえ、15年3月期は第1四半期(4月~6月)だけで55億円もの営業赤字となった。一方、手元の現金はたったの72億円(14年6月末)だ。

 本業に黄信号が灯っているうえに、財務基盤は脆弱。このうえ、エアバスとの違約金がのしかかれば、スカイマークの破綻は現実味を帯びたものとなる。新興エアラインとして国内の航空市場に新風を吹き込んだ西久保愼一・スカイマーク社長は、「JALやANAの傘下入りだけはしたくないと思っているようだ」(業界関係者)。そんな西久保社長にとって、LCCの旗手としてアジア随一に躍り出たエアアジアの方が、遥かにシンパシーを感じる存在であろうことは、想像に難くない。

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