ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
“世界のノブ”はいかにしてつくられたか?
【第1回】 2014年8月29日
著者・コラム紹介バックナンバー
松久信幸

包丁一本の料理人と、試験管一本の研究者が語る情熱と哲学<前半>
「NOBU」「Matsuhisa」オーナーシェフ 松久 信幸 × 株式会社ユーグレナ代表取締役社長 出雲 充 対談 

1
nextpage

世界の食料問題、そしてエネルギー問題を解決する可能性を秘める「ミドリムシ」の人工培養に、世界で初めて成功したバイオベンチャー・ユーグレナ。そのユーグレナの代表取締役社長、出雲充がそのIPOの祝杯を上げたレストランに、ひとりの料理人がいた。その男の名前は松久信幸。彼が世界で展開するレストラン「NOBU」には、その味を求めて各国のセレブが足繁く通う。ロバート・デ・ニーロとニューヨーク、トライベッカに「NOBUニューヨーク」、ジョルジオ・アルマーニとイタリア・ミラノに「NOBUミラノ」を経営する、まさに“世界のノブ”だ。
世界の「ノブ」と、世界初のミドリムシベンチャー「ユーグレナ」。松久信幸による新著『お客さんの笑顔が、僕のすべて!――世界でもっとも有名な日本人オーナーシェフ、NOBUの情熱と哲学』の発売を機に、包丁一本の料理人と、試験管一本の研究者が語り合った。(取材・構成:森旭彦)

何があっても諦めずに追いかけていれば……

出雲 今日はお会いできて大変嬉しく思っています。著書を拝読していまして、前半は波乱万丈の自伝として、後半はまるでビジネススクールのケースのような生きたマネジメント論として、感銘を受けました。先生はミドリムシ、

出雲充(いずも・みつる)[株式会社ユーグレナ代表取締役社長]1980年、広島県呉市生まれ。東京大学農学部卒業。東京大学在学中の1998年、バングラデシュを訪れ、世界に存在する本当の貧困に衝撃を受ける。2年後の2000年、「ユーグレナ(和名:ミドリムシ)」のことを知り、世界の「食料問題」と「環境問題」を同時に解決できるそのポテンシャルに魅せられるも、培養技術が確立していないという壁の前に、一旦は事業化を断念。2002年、東京三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。2005年8月、株式会社ユーグレナを設立し、社長就任。東大発のバイオベンチャーとして注目を集める。同年12月には、世界で初めてユーグレナ(ミドリムシ)の屋外大量培養に成功。食品、機能性食品、化粧品、飼料、そして燃料と、数多くの分野で事業化を目指している。2012年、2012年世界経済フォーラム(ダボス会議)Young Global Leader 2012 選出。著書に、『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』がある。

そして私たちユーグレナのことをどのようにしてお知りになったんですか?

松久 僕は時差のある出張が多いので、体調管理のためにサプリメントを三種ほど、10年来愛用しています。ミドリムシは、箱根の「強羅花壇」という旧知の旅館を訪ねた時、女将の藤本さんに勧められたのが出会いでした。もう飲み始めて約3年です。おかげで胃腸の調子がずいぶんよくなりました。
 今回こうして本を書かせていただいたことがきっかけで、出雲さんにお会いできて嬉しいです。

出雲 私も先生にはお会いしたかったんです。2013年の3月、ユーグレナのIPOのお祝い会をここ、NOBU TOKYOで開いていただいて、数々の料理に感動しました。それが縁で今回は著書を拝読し、こうして「世界のノブ」にお会いする機会をいただきました。

松久 僕も出雲さんの著書を拝読しています。
 僕は好きで料理の世界に入って、料理ばかりをずっと追いかけてきました。出雲さんも、人生で何があってもずっとミドリムシを追いかけてきた。そこに強い接点を感じて、感動しました。
 僕は、追いかけるものに対して決して諦めないタイプです。いろんな壁にぶち当たり、途方に暮れたこともありましたが、その時は必ず周りの人が助けてくれた。出雲さんの本を読んで、そんなことを思い出していました。出雲さんも、本当にミドリムシ一本ですよね? 

出雲 そうですね、もう変われないですね。

松久 もし自分と似たところを見つけるのならば、そういうところが僕と出雲さんの共通点なのかな。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
まいにち小鍋

まいにち小鍋

小田真規子 著

定価(税込):本体1,100円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
簡単で安くて、ヘルシー。ポッカポカの湯気で、すぐにホッコリ幸せ。おひとりさまから共働きのご夫婦までとっても便利な、毎日食べても全然飽きない1〜2人前の小鍋レシピ集!「定番鍋」にひと手間かけた「激うま鍋」。元気回復やダイエットに効く「薬膳鍋」や、晩酌を楽しみたい方に嬉しい「おつまみ鍋」など盛り沢山!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


松久信幸(まつひさ・のぶゆき) 

「NOBU」と「Matsuhisa」レストランのオーナーシェフ。1949年、埼玉県で材木商の三男として生まれ、 7 歳の時に父を交通事故で亡くす。14 歳の時に兄にはじめて連れていってもらった寿司屋でその雰囲気とエネルギーに魅了され、寿司職人になると心に決める。東京の寿司屋での修業後、海外に出てペルー、アルゼンチン、アメリカでの経験を基に、和をベースに南米や欧米のエッセンスを取り入れた NOBUスタイルの料理を確立した。 1987年、アメリカ・ロサンゼルスにMatsuhisaを開店。ハリウッドの著名人たちを魅了し大人気となる。1994年、俳優ロバート・デ・ニーロの誘いに応えNOBU New Yorkを開店。さらに、グローバルに展開し次々と店を成功に導く。2013年4月、ラスベガスにNOBU Hotelをオープン。2014年現在、5大陸に30数店舗を構え、和食を世界の人々に味わってもらおうと各国を飛び回っている。 主な著書に、『Nobu the Cookbook』『nobu miami THE PARTY COOKBOOK』(以上、講談社インターナショナル)、『nobu』(柴田書店)、『NOBUのすし』(世界文化社)などがある。


“世界のノブ”はいかにしてつくられたか?

約40年前、包丁1本で海を渡った料理人が、今や世界五大陸に三十数店のレストランとホテルを展開、レストランだけで年間のべ200万人以上が来店、2013年クリスマスのグーグル検索数がレストラン部門のトップという世界でもっとも有名なオーナーシェフになった。“世界のノブ”と言われる松久信幸は、日本人としての感性を貫きながら、いかにしてグローバルに成功を収めたのか? 対談やインタビューで浮き彫りにしていく。 

「“世界のノブ”はいかにしてつくられたか?」

⇒バックナンバー一覧