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GPIFの運用計画の情報はどこから漏れるか?

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第344回】 2014年9月3日
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GPIFの運用計画発表で日本株はどうなる?
情報獲得を巡る競争ゲームの参加者たち

 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が新しい運用計画を発表する「目処」とされていた9月に入った。日本株に対して、数兆円規模の買いが発生するかもしれないイベントなので、注目度が大きい。

 筆者の知り合いのストラテジスト(証券会社の投資戦略分析者)は、日頃自分たちはファンダメンタルズを重視する投資家だというプライドがあり、需給の話をバカにしていて、「需給の話をしに来るなら、もう来なくてもいい」と言っていたある外資系の大手運用会社から、GPIFの動向に対する情報と意見を求められたと言って、笑っていた。

 余談であるが、運用会社はもともと根拠のない御利益を売る宗教のようなビジネスモデルだし、証券会社に対しては「客」の立場(「バイサイド」と呼ぶ)であるために、いささか勘違い気味の尊大さを持っていることがしばしばある。もっともこれは、ビジネスに必要な気分でもあるので、許してやってほしい。

 さて、「おそらく、GPIFは株を買うのだろう。ならば、事前に先回りして株を買っておけばいいのではないか」と思う投資家もいるだろう。

 しかし、仕事で大きなお金を動かすとなると、特に大きなレバレッジをかけてポジションをつくるヘッジファンドのような投資家の場合、大雑把に「買っておこうか」と決めて行動するわけには行かない。

 たとえば、GPIFが今後発表する新しい運用計画が、市場の期待する水準を下回るものだった場合、株価は「失望売り」が集中して、かえって急落してしまうかもしれない。

 また、世の中にはGPIF以外にも、株価に影響を与える原因が数多生じ得る。事前に情報を知っても、あまりに早くポジションをつくってしまうと、GPIFの買い情報が出る前に株価が大きく下落する可能性がある。

 プロの投資家としては、ある程度以上の確度を伴う情報を持ってタイミングを計ってからでないと、大きなポジションをつくることができない。GPIFの新しい基本ポートフォリオ(国内債券、国内株式、外国債券、外国株式の比率)とその発表日を、ぜひ知りたいところだ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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