米国の利上げ前倒し観測で、円安加速への期待が高まっている。だが為替相場を動かすFRBの金融政策と、その元となる米国の景気動向には、いまだ不透明感が残る。
ついに“べた凪”の均衡が崩れたのか。長らく膠着状態にあったドル円相場が、にわかに動いた。
8月20日、4月来張り付いていた1ドル102円台から103円台に、週明け25日には104円台へと円安が進行した。
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きっかけは、20日に公開された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録(7月29・30日分)である。その内容が、利上げに積極的な“タカ派”色の強いものと受け止められ、米国の金利上昇、日米の金利差拡大という思惑から、ドル買い円売りとなった。
市場の注目は、さらに8月22日の、イエレン・連邦準備制度理事会(FRB)議長による「ジャクソンホール講演」に集まった。
講演自体は無難な内容に終わったが、結果としては、先述の通りドル高円安が加速した。
実のところ、議事録もイエレン議長の講演も、“経済指標次第で利上げを前倒しすることも、後ろ倒しすることもあり得る”と言っているにすぎない。市場は、その一面のみに反応したわけである。