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“世界のノブ”はいかにしてつくられたか?
【第3回】 2014年9月12日
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松久信幸

皿洗いのスタッフもシェフも、皆平等
世界中のスタッフに慕われるノブのフィロソフィー

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世界五大陸に30数店舗を展開しながら、NOBUが高いクオリティを維持し続けている秘密はどこにあるのか? フランス人シェフのエルベ・クートットと、ノブ・レストラン・グループのコーポレート・ディレクター、田原史啓(ヒロ)に、「NOBUスタイル」と呼ばれる料理とマネジメントのスタイル、さらに根底にあるNOBUの哲学を語ってもらった。(インタビュー:ダイヤモンド社書籍オンライン編集部)

手を見せただけでシェフに採用?

―ーNOBUというレストラン、そしてノブ・マツヒサとの出会いは?

エルベ 私の場合はロンドンでした。2000年ごろ、パリでレストランをオープンするためシェフを募集しており、NOBUロンドンでの面接でノブさんに初めて会ったのです。当時私は、中東カタールのドーハにあるシェラトンホテルでフレンチのシェフを務めていましたが、以前から日本に行きたい、日本料理を学びたいと希望していました。しかし、フランス人を雇ってくれる日本料理店はありませんでした。そんななかで友人が、NOBUという有名な店がパリでオープンすると教えてくれたのです。その時までNOBUについては知りませんでした。ウェブサイトをチェックしてよいレストランだと感じました。

 ノブさんとの面接はわずか10分ほど。私に「手を見せて」と言うので、「オーケー」と見せると、彼は私の手をつかんで「オーケー、採用だ」と言ったのです。後に、なぜ手を見ただけで決めたのかと尋ねると、「やけどの跡や傷痕がないかを見たんだ。何もなければ、もう現場で調理をしてないシェフだとわかるから」とノブさんは答えました。ホテルのエグゼクティブ・シェフは調理場にあまり立たず、オフィスで過ごすことも多いのです。ノブさんのフィロソフィーは「シェフはキッチンに立って調理をしてこそ、シェフ」というもので、その価値観が私と一致したということでしょう。

エルベ・クートット:中東地域とロシアのNOBUのエグゼクティブ・シェフ。ヒロ(田原史啓):NOBUニューヨークのウエイターとしてスタートし、ニューヨークの3店舗を統括するマネージャーからコーポレート・ディレクターに。

 「あなたはフレンチのエグゼクティブ・シェフだが、すぐにシェフとしてパリに行きたいか、それともロンドンで日本料理を一から学びたいか?」とノブさんに聞かれました。日本料理の初心者として学ぶことが私の希望でしたので、2ヵ月間、NOBUロンドンで仕事をしながらトレーニングを受けました。一番下からあらゆるセクションを見せてもらい、日本料理のコンセプトと実務を勉強したのです。ノブさんがロンドンに来たときは直接、そして多くはロンドンのシェフたちに教えてもらいました。

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    松久信幸(まつひさ・のぶゆき) 

    「NOBU」と「Matsuhisa」レストランのオーナーシェフ。1949年、埼玉県で材木商の三男として生まれ、 7 歳の時に父を交通事故で亡くす。14 歳の時に兄にはじめて連れていってもらった寿司屋でその雰囲気とエネルギーに魅了され、寿司職人になると心に決める。東京の寿司屋での修業後、海外に出てペルー、アルゼンチン、アメリカでの経験を基に、和をベースに南米や欧米のエッセンスを取り入れた NOBUスタイルの料理を確立した。 1987年、アメリカ・ロサンゼルスにMatsuhisaを開店。ハリウッドの著名人たちを魅了し大人気となる。1994年、俳優ロバート・デ・ニーロの誘いに応えNOBU New Yorkを開店。さらに、グローバルに展開し次々と店を成功に導く。2013年4月、ラスベガスにNOBU Hotelをオープン。2014年現在、5大陸に30数店舗を構え、和食を世界の人々に味わってもらおうと各国を飛び回っている。 主な著書に、『Nobu the Cookbook』『nobu miami THE PARTY COOKBOOK』(以上、講談社インターナショナル)、『nobu』(柴田書店)、『NOBUのすし』(世界文化社)などがある。


    “世界のノブ”はいかにしてつくられたか?

    約40年前、包丁1本で海を渡った料理人が、今や世界五大陸に三十数店のレストランとホテルを展開、レストランだけで年間のべ200万人以上が来店、2013年クリスマスのグーグル検索数がレストラン部門のトップという世界でもっとも有名なオーナーシェフになった。“世界のノブ”と言われる松久信幸は、日本人としての感性を貫きながら、いかにしてグローバルに成功を収めたのか? 対談やインタビューで浮き彫りにしていく。 

    「“世界のノブ”はいかにしてつくられたか?」

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