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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

現場はつらいよ!鉄道員トホホ物語【その1】
<自殺処理>
飛び散る血と肉片
よみがえる強烈な臭い

佐藤 充 [フリーライター]
2014年9月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
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『週刊ダイヤモンド』9月20日号の特集は「新幹線50周年! 魅惑のJR・鉄道」。新幹線・在来線の歴史と魅力、JR各社の経営を60ページに渡り紹介しているが、ここではその特集の一部を抜粋してお送りする。新幹線や在来線の運行を支える、鉄道会社の社員。正確な運行と、人の命を預かる仕事だけに、現場では多くの難問が鉄道員たちを襲うのである。元JR某社社員の筆者がその壮絶を明かす。

 「マグロだ! マグロ!」 

 漁船でもないのに、鉄道の現場ではマグロ、マグロと騒ぎだすことがある。マグロとは飛び込み自殺のことで、恐らく、その由来は遺体の姿からの連想だろう。このような隠語が生まれるくらい、鉄道自殺は多いのだ。

 「まったく……」

 飛び込み自殺が起きると、ダイヤは乱れるし、鉄道マンたちの仕事は増える。死んだ人に対してブツブツ文句を言う人もいれば、「ここが腕の見せどころだ」と、反対に元気になる人もいる。

 いずれにせよ、現場は途端に活気づく。運行を管理する指令はもちろん、乗務員の運用を考える乗務員区も、車両の運用を心配する車両センターも、それぞれ慌ただしくなるのだ。

 私の仕事は、数ある鉄道の仕事の中でも「車両屋」と呼ばれるものだった。亡くなった人には申し訳ないが、飛び込み自殺が起きると、自殺者よりも車両の被害状況の方が気になった。人間の体はそれなりに重量があり、列車の速度や衝突の仕方によっては、車両も無事では済まなくなる。

 私の職場は、ある車両メンテナンスの現場(車庫)で、そこには、管理職を含めて大卒総合職は私一人しかいなかった。

 私が最初にマグロを経験したときには、怖さと少しばかりの好奇心で気持ちが揺れたが、大卒総合職としての気負いもあり、努めて平静を装いながら、事故車両の点検要員に加わった。

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