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情熱クロスロード~プロフェッショナルの決断

「自分は正しい」と思った瞬間に、
仕事はダメになる
【僕がピクサーで学んだこと(中)】

田中 泰
【第9回】 2014年10月14日
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ピクサー・アニメーション・スタジオ――。 『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』など、次々と大ヒット映画を世に送り出してきた「世界最高峰のアニメ制作会社」である。その伝説的な会社で活躍した日本人がいる。堤大介さん、39歳。「世界最高峰」の職場で求められることは何か? 前回に続き、話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド社 田中 泰)

コミュニケーションこそが、
ピクサーの創造力の源

 野球少年だった堤大介さんが、アメリカ留学でたまたま出会った「絵画」。

 「残念だが、君には才能がない」と何度も言われながら、ずーーーっと描き続けることで「画力」を磨き、ピクサーで「光と色彩のアートディレクター」という職を手に入れた。

 「光と色彩のアートディレクター」とは、監督が思い描くストーリーを踏まえながら、ワンシーンずつ「光と色彩」のビジュアル・イメージを作りあげ、それに基づいて約200人のCG製作スタッフをディレクションしていく仕事である。

堤さんが描いた『モンスターズ・ユニバーシティ』のラフスケッチ

 これは、『モンスターズ・ユニバーシティ』で堤さんが描いたディレクション用のラフスケッチ。このスケッチが映像制作のもとになるのだから、「画力」はアートディレクターにとって重要な「武器」であることは間違いない。だからこそ、堤さんは、ピクサーに勤めるようになってからも、常にスケッチブックを持ち歩き、時間を見つけては絵を描き続けた。

 しかし、堤さんは、それがこの仕事の本質ではないと言う。

 「たしかに、画力はあったほうがいいんです。でも、映画づくりはチームプレイですから、ひとりで部屋にこもって、どんなに素晴らしい絵を描いても意味がありません。この仕事の本質はコミュニケーションにあります。実際、絵は苦手だけど活躍しているアートディレクターもたくさんいるんです」

 まず重要なのが、監督とのコミュニケーションだ。

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音楽、スポーツ、文学、科学――。これらの世界には、高い才能を持つマエストロたちがいる。ジャンルを問わず彼らに共通するのは、他人にはマネのできない深い「情熱」である。常に新しい時代を創り出し、世の中をリードし続ける彼らは、日々何を見つめ、どんなことを考えているのか。知られざる「異才の素顔」にスポットを当てる。

「情熱クロスロード~プロフェッショナルの決断」

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