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どう中国と付き合うか 日中首脳会談は実現するのか、両国は何を話すべきなのか

中国は2年間の対日強硬策で何を得たのか
首脳会談は「闘争モード」の転換に不可欠
――高原明生・東京大学大学院法学政治学研究科教授インタビュー

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第7回】 2014年10月15日
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日中関係が現在のような最悪の状況に陥ってから約2年。高原明生・東京大学教授はこの2年間の日中関係は異常な状態である「闘争モード」にあり、首脳会談を開催し早急に正常な状態の「協力モード」に戻す必要があると話す。なによりも、2年間で中国が得たものは、ほとんどないのではと分析している。日中関係を左右する内政要因、経済要因、国際政治要因の三つにおける見解をはじめとした、現状の日中関係について見解を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

現状は政治と安全保障の問題が
経済にまで悪影響を及ぼしている

たかはら・あきお
東京大学大学院法学政治学研究科教授。1981年東京大学法学部卒、サセックス大学にて修士号および博士号取得。在香港日本国総領事館専門調査員、桜美林大学助教授、立教大学教授等を経て2005年より現職。在中国日本大使館専門調査員、英国開発問題研究所理事、ハーバード大学客員教授、アジア政経学会理事長などを歴任。現在、新日中友好21世紀委員会委員(日本側秘書長)、東京財団上席研究員などを兼任。主な著書にThe Politics of Wage Policy in Post-Revolutionary China (Macmillan, London and Basingstoke, 1992)、『日中関係史1972-2012 I 政治』(共編、東京大学出版会、2012年)、『開発主義の時代へ1972-2014』(共著、岩波書店、2014年) など。
Photo by Toshiaki Usami

――現在の日中関係は国交正常化以降、最悪の状態と言われています。さまざまな原因が語られていますが、この2年の日中関係をどのように見ていますか。

 なんといっても、尖閣諸島の問題で対立し、相手についての国民感情がよくない状況が続いています。昨年10月から、領海侵犯の頻度が下がって、2週間に1回程度になっていますが、そうはいっても日本からすれば大変挑発的な行為であることに変わりはありません。領海侵犯については日本としては対応せざるを得ないので、大変迷惑な話です。

 実際に国有化された後、尖閣諸島に何か変化があったわけではありません。ですので、中国は非常に空しい努力を続けているということです。こういうことをやり続けると、中国は世界的にも信用を落としてしまう。一刻も早く領海侵犯はやめてもらいたいですね。

 歴史認識問題も日中関係悪化の原因と言われていますが、中国との間で問題になっているのは、靖国神社参拝問題です。日本が過去の戦争について、侵略戦争だったと認めたことを、否定することはないわけですし、日本政府が行った謝罪を取り消すと言っているわけではない。だから、歴史認識問題というのは、つまり靖国神社参拝問題なのです。

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今年で3回目となる日中関係を考える連載「どう中国と付き合うか」。今年は11月に中国北京でAPECが開催されることから、この機会を利用した日中首脳会談が開催されるかどうかは、早い時期から日中関係ウォッチャーの間で話題となっていた。しかし、両国の閣僚や政府筋の発言を見ていても、明確な関係修復の兆しは見られない。識者には「APECで日中首脳会談が開かれなければ、両国関係は本当にマズいことになる」という危機感が募る。果たして11月、安倍晋三首相と習近平国家主席は会談の席につくのか。席につかせるためには、両国はどのような努力をすべきなのか。日中の歴史、外交、防衛などの専門家に寄稿、インタビューから、その答えを探る。

「どう中国と付き合うか 日中首脳会談は実現するのか、両国は何を話すべきなのか」

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