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「婚迷時代」の男たち

不況で急増?
夫を恐怖政治で支配する「DV妻」、操られる「リモ婚夫」

西川敦子 [フリーライター]
【第10回】 2009年5月22日
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 友則謙介さん(仮名・38歳)は新進気鋭のITベンチャー社長だ。行動力と明晰な頭脳、リーダーシップを兼ね備え、社員全員からあこがれられ、慕われている。そんな彼が家庭では別人のように小さくなっていようとは、いったい誰が想像できるだろう。

 毎日、深夜に帰宅すると、散らかった部屋を片付けるのが日課の友則さん。妊娠して以来、妻は身体を動かすのを極端に厭うようになった。寝ている彼女を起こさないよう気遣いながら水を使い、床に散乱した衣服をたたむ。

 『頼む、目を覚まさないでくれ……』

が、たいていは起きてくる。

 「なにやってんの、こんな夜中に」
 「え、だからちょっと部屋の片づけを」
 「それ、私へのあてつけ?私の家事が気に入らないからやり直してるってこと?」
 「まさか、そんな」

 ガッシャーン!

 何かが耳をかすめ、後ろの壁にぶつかって砕け散った。洗ったばかりのグラスを妻が投げたのだ。

 「だから、それが嫌味ったらしいんだって!人の家事が不満なら口でそう言えばいいじゃん!仕事、仕事って、私のことはほうりっぱなしの癖に。あんたなんかと結婚しなければよかった。子どもも産みたくない……」

泣きじゃくる妻の肩におそるおそる手を掛けると、「気やすく触んないでよっ!」と向こうずねに蹴りを入れられた。まるでスケバンだ。

 正直、離婚しようかと思うこともある。だが、勇気がない。社員や取引先に知られたらイメージがガタ落ちだ。とはいえ、このままでは精神に破たんをきたしてしまう――。

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


「婚迷時代」の男たち

仁義なき最新の婚活事情から、結婚をビジネスにする企業、結婚生活や離婚の実態までを徹底取材。「結婚」という2文字に翻弄される男たちの姿を追う。はたして「結婚」は男を幸せにするのか――。

「「婚迷時代」の男たち」

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