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【佐賀県】 個を抑えて陰に徹し節約を旨とする

都道府県データ:Vol.21

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第21回】 2009年12月28日
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 お笑い芸人の「はなわ」や映画にもなった「がばいばあちゃん」のおかげもあってか、近頃にわかにメジャーになりつつある佐賀県。しかし、それでもなお、全国的にはまだまだその名が知られているとはいいがたい。面積も小さいし人口も少ないということが影響しているのだろうが、明治維新を推進した「薩長土肥」の「肥(前)」なのだから、本当ならもっと広くその名が知られていてもおかしくはないはずなのだが……。

 でも、当の佐賀県人がそのことを気にかけているかというと、それほどでもない。同じ県内でありながら、佐賀市と唐津市の間に昔からあるライバル意識はいまだに強いようだが、大方の人々は「佐賀県」だからウンヌンといったことにはあまりこだわっていないのではないかと思えるのだ。

強い個性を持った人が育ちにくい風土で
組織、団体のまとまりがいい

 そのあたり、明治維新においても「肥」は陰の存在に徹したところがある。そもそも薩摩と長州(山口県)は犬猿の仲だったし、土佐も、その個性の強さでいうなら薩長にひけをとらない。その3つの藩をジョイントさせてしまったのは、藩主・鍋島直正の個人的資質というより、この地の風土によるものではなかったか。武士道のなんたるかを説いた「葉隠」は佐賀から生まれたものだが、そこに見られる「個(性)」の存在を徹底的に抑え込もうとする思想が、やはりものをいったのだろう。

 そして、これは佐賀県人全般にも共通しているようで、強い個性を持った人が育ちにくい風土がある。逆に、組織、団体のまとまりは非常にいい。また、「佐賀人が通ったあとには草も生えない」といわれるように、節約を旨としムダづかいを嫌う。

 ひとたびこうと決めたことはかたくなに守ろうとする頑固さも佐賀の県民性としてよく指摘される。それが行き過ぎると、頭に血が上るというのも、佐賀県人の特徴だろう。特に伝統的な規範に反したことについては強烈な反発を見せる。

 「節約って、今の社会ではいちばん大事なことですよね」とほめてあげれば、根が几帳面な佐賀県人は、何があってもそれをきっちり実行してくれるはずだ。


◆佐賀県データ◆県庁所在地:佐賀市/県知事:古川康/人口:85万3010人(H21年)/面積:2440平方キロメートル/農業産出額:1255億円(H19年)/県の木:クスの木/県の花:クスの花/県の鳥:カササギ

データはすべて、記事発表当時のものです

 

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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