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【山口県】頭脳明晰で弁が立つ 無類の負けず嫌い

都道府県データ:Vol.45

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第45回】 2011年1月27日
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 270年近く続いた江戸幕府をひっくり返し、近代日本の扉を開いた明治維新。それを推進したのは薩長土肥とされているが、一番の中心は長州=山口県だという強い思いが、山口県人の頭にはある。幕末の「八月一八日の政変」以来、ことごとく長州に敵対してきた会津(福島県)の人々に対し、「許すまじ」という姿勢を今なお崩さないのも、それと深くかかわっていそうだ。無類の負けず嫌いと言っていい。

 その山口県は本州の西の端にあり、トンネルをくぐれば九州、海を越えればそこはもう韓国である。だが、そんな辺境の地にあったからこそ、人々の信望が厚かった藩主・毛利氏の下、長州人は一致団結して事に当たった。

 吉田松陰、伊藤博文、桂小五郎、高杉晋作など、維新回天を推進した人物も数多く輩出しているから、長州こそ日本で最優秀の藩であった、いや県であるという誇りを失わずにいるのが山口県人である。

 もともと中国地方全域を支配していた毛利氏に仕えていた人々が多いだけに、発想の幅も行動力も想像以上にスケールが大きい。それに見合った使命感・責任感もあるから、一国の大事も喜んで引き受ける。事実、これまで山口県からは総理大臣が8人も出ている。薩摩(鹿児島県)の3人、土佐(高知県)の2人、肥前(佐賀・長崎県)の1人に比べれば、その差は歴然。しかも、そうした思いが一般人にも息づいている。

 ただ、それが時として、他県出身者に対し高飛車な言動として表れることもある。教育熱心な県民性の影響だろう、頭脳明晰な人が多い。弁も立つから、山口県人と議論して勝つのは難しそうだ。

 また、そのエネルギーがビジネスに向かうと、ユニクロの柳井正やゼンリンの原田康、古くは鮎川義介(日産)、久原房之助(日立)、藤田伝三郎(藤田組=現DOWAホールディングス)等といったビッグカンパニーの創業者を生み出す。

 誇り高い山口県人に対しては、それを常に認める姿勢を見せることが大事になってくる。それを忘れてしまったときのしっぺ返しが怖いことも覚悟したい。


◆山口県データ◆県庁所在地:山口市/県知事:二井関成/人口:144万6874人(H22年)/面積:6114平方キロメートル/農業産出額:654億円(H19年)/県の木:アカマツ/県の花:夏みかんの花/県の鳥:ナベヅル

<データはすべて、記事発表当時のものです>

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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