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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

1人に1億円以上かけて、ホームレスやワーキングプアを量産!? 『明日ママ』でも描けなかった、児童養護施設をいますぐ止めるべき理由

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第123回】 2014年10月28日
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【2014.10.30 筆者追記】
本文中にある千葉県の児童養護施設の子ども1人にかかる月額経費(県立乳児院:約96万円、県立児童養護施設:約45万円)について、「月額と年額を取り違えているのではないか?」というお問い合わせを何件かいただいていますが、これは千葉県健康福祉部児童家庭課にも確認した「月額」であり、それを元に0歳から18歳までの養育費用(約1億1500万円)も算出しています。


  児童養護施設は税金の無駄遣いであり、無くすべきなのではないか――。日本の社会保障費の削減のためにも、そして、なによりも施設に入居している子どもたちのためにもそう思う。

 日本の社会貢献に関する最大の問題は膨大な社会保障費であり、この抑制が重要な課題であることは当連載でも何度か述べてきた。金額的には医療/介護関連の費用負担が突出して大きいが、もちろん他の分野についても無駄な支出は抑制していくべきだ。そのような視点で見ると、児童養護に関するお金の使い方には大いに疑問がある。

1人を育てるのに1億円以上!?
かかりすぎる児童養護施設の費用

 千葉県は平成19年3月に、要養護児童の経費について公表したが、これによれば、要養護児童1人をを0歳から18歳まで養育するために、県立児童養護施設で養育する場合は約1億1500万円、民間の施設で養育する場合は約7680万円の費用がかかる計算となる。もう少し詳しく伝えると、県立乳児院の乳児1人当たりの経費は月額約96万円。県立児童養護施設の子どもひとりの費用は月額約45万円である。一般人の感覚からすれば、これはいくらなんでも費用がかかりすぎだと感じるだろう。

◎参考1:「親が育てられない子どもを家庭に!里親連絡会」資料より
◎参考2:「シドさんの里親ホームページ」より

 ちなみに、一般家庭の場合、大学を卒業するまで22年間の養育費は約1640万円。教育費については私立、公立どちらに進むか、中高まで公立で大学が私立とか、中高大まですべて私立か、大学は文系か理系か医大かなど、コースによって差が出るが、幼稚園から大学まですべて私立に通ったとして約3700~3800万円。すべて国公立の場合、約3000万円である(養育費と教育費の合計)。

◎参考3:「子ども応援便り ウェブ版」より

 児童養護施設で育てる場合は、一般家庭と違って、施設費用や職員の給与が必要だ。しかし、養護施設の子どもたちの場合、私立校に通うことは考えにくい。また、上記の金額は18歳高校卒業までの費用であり、大学の学費が入っていないことを考えれば、やはり費用がかかりすぎだと思う。

 ちなみにこの数字は、千葉県のデータを元にしているが、県によってそれほど大きな費用差があるとは考えられないので、日本の児童養護制度そのものが金がかかりすぎていると思われる。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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