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見通しの甘さから発足2ヵ月で経営危機
関西独立リーグは存続できるのか

相沢光一 [スポーツライター]
【第56回】 2009年5月26日
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 スタートして2ヵ月で早くも存続の危機を迎えた野球の関西独立リーグ。問題はあまりにも甘い経営見通しにある。

 大阪、神戸、明石、紀州(和歌山)の4球団が参加して今春スタートしたばかりだが、金銭絡みのトラブルが発生したことが明らかになった。

 当初の構想では、リーグ運営事務局がスポンサーを募り、運営資金を確保。4球団に5千万円ずつを振り分け、リーグ入会金などの2千万円を差し引いた3千万円を分配し、各球団はそれを選手の給料に充てるなどして運営していく予定だった。ところが、3月末に支払われるはずだったその分配金が、約2ヵ月経った今も入金されていないという。どうやらスポンサー集めがうまくいかなかったらしい。

 選手の月給は一律20万円。各球団は独自に資金を工面して4月分の給料は支払ったようだが、当てにしていた分配金が入らず、5月分の給料が払えない球団も出てきた。それで問題が明らかになったのである。

 出来たばかりのリーグとはいえ選手はプロだ。他に仕事を持っているわけではなく、この状態が続けば生活に行き詰まり、野球どころではなくなってしまう。梯子を外された立場の各球団代表は激怒。約束を守らない運営会社を切り、今後は4球団の合議制でリーグを運営していくことになった。運営資金は4球団が各自スポンサーを探して確保することになる。だが、この不況下、前途は多難だ。

先行するアイランド、BCリーグは
注目度も高まりつつある

 そもそも企業の野球部が次々と廃部に追い込まれるこのご時世で、企業に頼らず上を目指す選手にプレーの場を与えようということで生まれたのが日本の独立リーグだ。

 第1号は2005年にスタートした四国アイランドリーグ。四国は野球が盛んな土地だが、プロチームはない。四国4県に地元密着のチームを作り対戦させれば対抗意識で盛り上がるはずだと、米国独立リーグの運営事情に明るくプロ球界にも人脈が豊富な石毛宏典氏(現役時は西武・ダイエーでプレー、オリックスでは監督を務めた)の主導で組織化され、誕生した。

 この四国アイランドリーグも当初目論んだ観客動員は達成できず経営的に苦しんだが、初年度からプロ野球のドラフトにかかる選手を輩出。そうした実績から、08年には福岡と長崎に球団が生まれ、6チームによる四国・九州アイランドリーグとして現在に至っている。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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