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年金問題-早急な制度改革か、崩壊か

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第6回】 2007年11月20日
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 世の中で一般的に言われる年金問題とは、わが国の公的年金制度に関わる保険料未払い問題、厚労省の杜撰な管理体制、それに対する国民の心配、さらには制度維持のための財源確保等を、すべて包括した問題点の集合体と考えればよいだろう。

 少子高齢化が加速度的に進むわが国では、当然のことながら、国民の年金に対する関心は極めて高い。金融広報中央委員会の調査によると、現在、わが国の国民の約9割近くが老後の生活に不安を抱いており、その主な理由の一つに、「年金や保険が十分でない」が上げられている。

 また、今年の参院選挙で自民党の大敗の原因の一つが、杜撰な厚労省の年金事務処理の問題があったと指摘する見方もある。それだけ、年金問題は人々にとって重要な課題なのである。

公的年金が孕む問題点に
国民は気づいている

 年金の仕組みには主に2つの方式がある。1つは積み立て方式である。これは、自分が将来もらう年金を、収入の中から自分で積み立てる仕組みだ。もう1つは賦課方式である。こちらは、支払われている保険料を一まとめにして、それを、給付を受けている人たちに配る仕組みだ。わが国の公的年金制度は、賦課方式によって運営されている。

 少子高齢化が加速するわが国にとって、賦課方式の年金制度には決定的な問題点がある。それは、少子化が進むことによって保険料を払う人の数が減少するのに対し、高齢化の進展で給付を受ける人の数が増えることだ。お金を払う人が減って、お金をもらう人が増加するわけだから、どうしても将来の給付額が減少せざるを得なくなる。人々は、そうした事実を敏感に感じ取っている。そのため、老後の生活に対する不安が増幅しているのである。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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