米は鮮度が命
【第3回】 2014年12月9日 野地秩嘉

「旨いご飯の食べ方を学ぶ」の巻
短期集中連載・その3

米をおいしく食べる方法を考える
おかずとの相性とは

「百人が百人、おいしいと言う米はありません」

 都立大学にある、こだわりの米穀店「スズノブ」店主、西島豊造氏はそう断言する。

「ですから、自分の好みの米を探すしかないんです。そのためには毎回、違う性質の米を買って、食べてみればいい」

 米はふたつの種類に大別できる。ひとつはもちもちした味。ねばり、甘み、弾力のある米だ。佐賀県の「さがびより」、新潟県の「こしいぶき」などがそれにあたる。こしひかりもまたこの系列である。

 もうひとつはあっさりとした味。宮城の「ササニシキ」が代表で、北海道の「ななつぼし」もそうだ。

「もちもちした米は濃い味の料理に合います。肉のおかず、洋風のおかずにいい。あっさりした米は白身の刺身のような和風の料理にいいでしょう。冷たいおかずにも合います」

 まずは、個性が対極にある米を買ってきて、食べ比べてみることだ。私自身「さがびより」、「ササニシキ」を買って、食べ比べてみた。

 両方を一度に炊いて食べると、米の性質は歴然だ。どちらもおいしかったけれど、確かに、さがびよりの方がもちもちした食感だった。

 西島氏によれば、「米の個性の違いをもっとも的確に判断できるのは大人よりも小学生くらいの子ども」とのこと。大人は「こしひかりの特別栽培米だな」などと、情報に左右されるけれど、子どもはブランドや価格など気にしない。感じたままを的確に表現する。微妙な味の違いが判らなければ、子どもに試食させることだ。ただ、子どもは味を言葉にするのが下手かもしれない。そこはうまく答えを引き出すことだ。

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野地秩嘉 1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。出版社勤務、美術プロデューサーなど を経て、ノンフィクション作家に。食や美術、海外文化の評論、人物ルポルタージュ など幅広く執筆。近著に、「TOKYOオリンピック物語」「イベリコ豚を買いに」「打 ち合わせの天才」「アジア古寺巡礼」「アジアで働く いまはその時だ」など。


米は鮮度が命

今年も新米が出揃い、やはり新米は旨い!と喜んでいる方も多いだろうこの時期、 改めてお米の美味しさとは何かを考えます。偶然、玄米を贈ってもらった著者の 経験を基に、お米について、知っておいて損はない基礎知識をお届けします。

「米は鮮度が命」

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