米は鮮度が命
【第4回(最終回)】 2014年12月19日 野地秩嘉

「ご飯に合うおかずとは何かを考える」の巻
短期集中連載・最終回

味の濃いおかずよりも
昔ながらのおかずを

 玄米で買って精米して食べると、驚くほど香りの高いご飯を食べることができる。白米は鮮度が落ちやすいが、玄米で保存すればかなり鮮度を保てるのである。白米ならば2週間程度だけれど、玄米ならば半年以上も鮮度を保つことができる。おいしい新米を食べようと思うのならば、玄米で保存し、食べる都度、精米するしかない。

 そう教えてくれたのは、都立大学にあるこだわりの米穀店「スズノブ」店主の西島豊造氏である。そして、彼はおいしいご飯にはどういったおかずが合うかもよく分かっている。

「私はお米マイスターなのですが、時々、大学、高校でコメについての授業をします。彼らと話していると、いまの子どもたち、若者がご飯を食べない理由がつかめてくるのです。それは、父親、母親がいけない。朝食にベーコン、ソーセージ、スクランブルエッグといった油っこいおかずを出すから、ご飯の持つおいしさが感じられなくなるのです。ご飯をおいしく食べようと思ったら、昔ながらのおかずを大切にしなくてはいけません」 

 西島氏は続ける。

「油っこいおかず、味の濃いおかずに慣れてしまうと、白いご飯が食べられなくなるのです。ご飯の持つ甘みは微妙な味です。強い味と一緒に食べるとそれがわからなくなる。なんと、いまの若者のなかにはポテトチップをくずして、ご飯にのせて食べる子さえいるんです。そうした食べ方をしていたら、ご飯の味などわからなくなります」

 彼が言うとおりである。鮮度のいい米でおいしいご飯を炊いたら、おかずにも気を抜いてはならない。そこで、私は白いご飯を引き立てるおかずを自作してみた。

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野地秩嘉 1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。出版社勤務、美術プロデューサーなど を経て、ノンフィクション作家に。食や美術、海外文化の評論、人物ルポルタージュ など幅広く執筆。近著に、「TOKYOオリンピック物語」「イベリコ豚を買いに」「打 ち合わせの天才」「アジア古寺巡礼」「アジアで働く いまはその時だ」など。


米は鮮度が命

今年も新米が出揃い、やはり新米は旨い!と喜んでいる方も多いだろうこの時期、 改めてお米の美味しさとは何かを考えます。偶然、玄米を贈ってもらった著者の 経験を基に、お米について、知っておいて損はない基礎知識をお届けします。

「米は鮮度が命」

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