車をスマート化
メトロマイル
今回紹介する企業は、車をスマート化させるサービスを開発して注目を集めている「メトロマイル」(Metromile)だ。
「車」と「スマート」という言葉を聞けば、少し気が利く人なら、自動運転を開発中のグーグルや、スマートシティと連携して事故を起こさない車などを頭に思い浮かべるのではないだろうか。しかし、同社は車そのものではなく、付随するサービスのスマート化に注力している。
同社のサービスはIoT(Internet of Things:モノのインターネット)を上手に活用しており、そのサービスのひとつである自動車保険は、全米で1860億ドルといわれる市場のルールを変え、破壊するインパクトがあると評されている。
IoTとは、パソコンやスマートフォンなどだけではなく、身の回りのあらゆるモノに埋め込まれたセンサーがインターネットに繋がり、相互に通信が可能になる技術や仕組み、状態のこと。
シリコンバレーを拠点にベンチャー企業に対するコンサルティングや育成をするNSV(NetService Ventures)の提供する投資家、金融関係者、事業者向けにスタートアップ情報を提供するウェブサービス、「Venture Scanner」でも、メトロマイルは一目置かれているスタートアップだ(Venture Scannerについては、詳しくは本連載第1回を参照)。
加藤雅己・Venture Scanner共同創業者・ IoT担当アナリストは「スマートカーというと大きく3つのプレイヤーに分けられる。ひとつは実際に自動車を製造する自動車業界、もうひとつはインフォテイメントの分野に取り組むグーグルやアップルなどのIT業界、そしてもうひとつがスタートアップ。数あるスタートアップのなかでも注目される企業のひとつと言っていいだろう」と話す。