アスクルとヤフーが2012年にオープンした、個人向けECサイトの「LOHACO(ロハコ)」が拡大を続けている。2014年5月期の売上高は前期比5.8倍となる121億円に達し、また2014年12月には累計利用者数150万人を突破した。そんなLOHACOの成長を支えているのは、顧客の購買・行動データ、いわゆるビッグデータの活用だ。(取材・文/平 行男、ダイヤモンド・オンライン編集部 指田昌夫)

パーソナライゼーションに注力

アスクルの成松岳志・EC店舗運営&ビッグデータ統括部長(右)と、増田淳・eプラットフォーム本部ECサイト企画(左) Photo:DOL

 LOHACOは、アスクルがオフィス向け通販で培ったノウハウを生かし、ヤフーと共同で運営する個人向けECサイト。嗜好品をインターネットで購入するというスタイルで拡大してきた従来のECサイトと異なり、LOHACOでは、日用品などの生活必需品を低価格かつスピーディーに消費者に届けることをコンセプトとしている。アスクルEC店舗運営&ビッグデータ統括部長・成松岳志氏は言う。

「LOHACOでは、日用品、食料品、文房具、医薬品、飲料、酒など、単体のECサイトとしては多い18万アイテム超を取り扱っており、お客様が買い求める商品の組み合わせはそれぞれ異なります。そこで、一人ひとりのお客様に対して、いかにして最適な商品を提案できるか、つまりパーソナライゼーションが売上を伸ばすカギになります。そのためにアクセスログや購買履歴、サイト内での行動といったデータを活用することが重要になってきます」

 たとえばある顧客の購買履歴などから、「この顧客は普段どんな商品を買っているか」「一緒に何を買う傾向にあるのか」「まだ試していない商品は何か」といったことを分析し、最もニーズの高い商品を、サイト内の適切な場所に表示するように設定する。

LOHACOのサイトでは、ログイン情報をもとに顧客属性や行動に合わせたコンテンツのパーソナライゼーションを行っている。表示内容によるが、パーソナライズによる売上貢献は数倍になることもあるという