その洗練されたデザインとビジネスモデルで“中国のアップル”とも呼ばれる中国最大のスマートフォンメーカー、小米科技。時価総額にして4兆円という試算も飛び出すほど期待値の高いIT企業だが、水面下では、国内外の知財軽視のやり口に懸念の声も広がっている。

 12月9日、中国・北京で開かれたある発表会のこと。若者を中心に高い人気を誇るスマートフォンメーカーの小米科技(シャオミ)は、約100人のメディア関係者に空気清浄機の分野に新規参入すると宣言した。

「極めて革新的で、美しいデザインに仕上がりました」

 壇上で熱弁を振るうのはシャオミの雷軍(レイジュン)CEOだ。おしゃれなオブジェを思わせる真っ白な筐体に、A4用紙1枚分の設置面積しか要らないスリムな縦型構造。本体上下に付けた二つの羽根が、室内に大きな循環気流を生んで、大きなチリや花粉も吸い込む。そして、内部の高性能フィルターが空気をろ過するという仕組みだ。

日の丸家電を“完全コピー” <br />シャオミ 疑惑の知財戦略(1)壇上でスマホの新作をプレゼンテーションする雷軍(レイ・ジュン)CEO (2)バルミューダが発売している空気清浄機 (3)シャオミが12月に発表した空気清浄機
Photo:新華社/アフロ
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