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宅森昭吉の景気の「気」を読む

中島みゆきが紅白で歌う「麦の唄」に注目
人生の応援歌が流行ると景気はもたつきを脱する

宅森昭吉 [三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミスト]
【第17回】 2014年12月26日
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「人生の応援歌」が流行すると、景気はもたつき局面を脱するケースが多い。人が前向きな気持ちなるきっかけになるからだ。そういう意味で、今年の紅白で中島みゆきさんが歌う「麦の唄」が注目される。前回の紅白で歌った「地上の星」は2002年1月を谷とし、2008年2月までの戦後最長の「いざなみ景気」を初期段階でサポートした可能性が高い。

2014年は逆転現象が多く、12月でも、羽生結弦選手、ガンバ大阪、エルニーニョ現象発生遡及認定と逆転が相次いだ。悲観的な見方が多い景気判断もいよいよ逆転しよう。GDPの悪さ、急激な円安などが足元の景況感悪化要因だが、これらに対する評価も、2月頃には逆転するとみられる。

人生の応援歌のヒットは
もたつき局面からの脱却示唆

 ヒット曲は景気局面を示唆することがある。頑張っている人への応援歌がヒットする時、景気はもたつき局面から脱し、上向きになっていくきっかけになることが多い。

 例えば、今でも24時間テレビのマラソンの時に毎年歌われるZARDの「負けないで」がヒットした時は、景気後退の最終局面で、“ほらそこに景気後退のゴールは近づいて”いた状況だった。90年代に初めて70円台の円高に突入し、円高不況と言われていた時期には岡本真夜さんの「TOMORROW」がミリオンセラーになった。“見るもの全てに怯え”る必要はなかった。後から振り返ると景気は結局、後退局面ではなく踊り場にすぎなかった。

 NHKの紅白歌合戦は国民的番組だ。昨年まで出場していた北島三郎さんが元気に「まつり」を歌う時は、必ず景気は拡張局面だった。東日本大震災の年や景気が悪い時は「帰ろかな」など、静かな歌が多かった。

 今年は中島みゆきさんの2度目の紅白出場が注目される。中島さんの歌は暗いものもあるが、今回紅白で歌う「麦の歌」は前回の「地上の星」に続き、いわゆる人生の応援歌と言える前向きなものだ。

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宅森昭吉 [三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミスト]

たくもり・あきよし/三井住友アセットマネジメント 理事・チーフエコノミスト。1957年東京生まれ。1980年3月慶應義塾大学経済学部卒業、同年4月三井銀行(現、三井住友銀行)入行。調査部、市場営業部などを経て94年11月さくら証券チーフエコノミストに。2001年4月さくら投信投資顧問チーフエコノミスト、02年12月三井住友アセットマネジメント、チーフエコノミスト、12年4月1日より現職。主な著書に『ジンクスで読む日本経済』(東洋経済新報社)、「日本経済『悲観神話』はもういらない」(中央公論新社)など。内閣府「景気ウォッチャー調査研究会」委員、日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査委員会」委員、景気循環学会・常務理事も務める。


宅森昭吉の景気の「気」を読む

景気を決めるものは何でしょうか。消費動向、企業の設備投資、海外の経済状況……。いろいろありますが、大切なのは景気の「気」。三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミストの宅森昭吉さんが、難しい経済指標だけではなく、プロ野球の日本シリーズの組み合わせ、ヒットしたテレビドラマ、天候などなど、社会の森羅万象の動きから、景気の現在とこれからを読み解きます。

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