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石川和男の霞が関政策総研

「法的根拠なき全原発停止」に株主はもっと怒れ
安倍内閣に課せられたエネルギー“二大愚策”の是正

石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]
【第36回】 2014年12月29日
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国民負担増大の
主な要因とは何か

 今月14日の総選挙で「自公大勝」の結果になったことは、もうすっかり忘れられているかもしれない。与党が大勝したということは、アベノミクスがそれなりに評価され、安倍政権がそれなりに信任されたことに他ならない。

 だが、総選挙からまだ1ヵ月も経っていないにもかかわらず、しかも新内閣が始動していないにもかかわらず、アベノミクス批判や安倍政権批判がテレビ・新聞などで早速起こっている。

 政治不信とよく言われるが、政治不信を煽っているのはマスコミ。政治不信の原点は、マスコミ不信、政治報道不信にあるように思えてならない。とは言え、先の総選挙を「アベノミクス選挙」と称した安倍首相。それに大勝したのであるから、アベノミクスは国民的に正式に信任されたことになる。

 現実的には、第3の矢である成長戦略に多くを期待することはできない。予算が比較的多くバラまかれる一部の地域での「地方創生」や、一部の業種での「一瞬の景気回復」は期待できなくもない。逆説的ではあるが、介護報酬引き下げが確実視されるなど、社会保障財政の逼迫への危機感は一層醸成されていくであろう。

 政府が今月8日に発表した2014年7~9月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比▲0.5%と、2四半期連続のマイナス。先月17日に発表した速報値(▲0.4%)から下方修正され、年率▲1.9%(速報値は▲1.6%)。設備投資や公共投資の下振れが大きな要因だが、今後の景気動向は引き続き心配であることに変わりはない。今後、設備投資を促す施策が景気対策として打たれていく公算が大きい。

 次は2014年10~12月期のGDPがどうなるのかであるが、個人消費や企業投資、マクロ経済全体に悪影響を与える要因、特に国民負担の増大に繋がる要素についてはすべて、早急に摘み取っておく必要がある。そのなかでの最大のものは、東日本大震災による東京電力・福島第一原子力発電所の事故をきっかけとして国内のすべての原発を停止させ続けていることによる化石燃料の輸入激増で、年間3兆7000億円(2014年度ベース)に上る巨額な国富流出だ。これにより、アベノミクスの効果は相当減じられている。

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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

1989年3月東京大学工学部卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁、生活産業局、環境立地局、産業政策局、中小企業庁、商務情報政策局、大臣官房等を歴任。2007年3月経済産業省退官。08年4月東京女子医科大学特任教授(~10年3月)。09年1月政策研究大学院大学客員教授。09年4月東京財団上席研究員。11年9月NPO法人社会保障経済研究所代表。ツイッター:@kazuo_ishikawa ニコ生公式チャンネル『霞が関政策総研』、ブログ『霞が関政策総研ブログ』


石川和男の霞が関政策総研

経済産業省の元官僚として政策立案の現場に実際に関わってきた経験と知識を基に、社会保障、エネルギー、公的金融、行政改革、リテール金融など、日本が抱えるさまざまな政策課題について、独自の視点で提言を行なっていく。

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