いまさら言うまでもないのだが、Googleは、とんでもないことを考える企業である。

 そもそも、検索サイトでビジネスモデルを確立し、その後、Gmailをはじめ、Earth、Picasa、ドキュメントなどのサービスを次々に提供してきた。実は、You TubeもGoogleに買収されているのだ。

 基本的にはどれも無料なので、「PCを使っている時間の中で、かなりの部分をGoogle関連ツールが占めている」というユーザーも少なくないだろう。

 さらに最近では、Google Chromeという高性能ブラウザーを開発しており、もちろんこれも無料で提供している。

 これまで、彼らが矢継ぎ早に膨大なツールを提供し続けている理由がよくわからなかったのだが、7月冒頭のニュースで、「なるほど!」と思わず膝を叩いてしまった。

 なんと、GoogleがOSを開発するというのだ。このOSは、Chromeを発展させたもので、その名も「Google Chrome OS」という。LinuxベースのOSで、当初の狙いはいわゆるネットブック。驚いたことに、なんと無料で提供するというのだ。

Windowsのシェアを奪えるか?<br />Googleが投入するOSの“勝算”
Google Chromeは、Googleが提供するブラウザーで、表示レスポンスの速さが特徴だ(画面はダイヤモンド・オンライン)

 すでに、大手のPCメーカーと協議しながら開発しているらしいので、製品に搭載されることは間違いないだろう。

 マイクロソフトは、PC向けOSの王者として20年以上君臨して来た。一般の人が店頭で買えるライバルOSで長年残っているのは、MacOSくらいのものだ。

 OSは標準であることが、何より大切だ。Windowsは、売り上げを伸ばすほどに、さらに立場が強くなって来た。もはやこの牙城が崩れることは当面はないだろうと、誰もが思っていたはずだ。

 Windowsに、ブラウザーはもとより、メールソフト、ビデオ編集やAVコンテンツ再生、写真管理などあらゆるツールを満載し、決定版として登場したのが、「Windows Vista」である。

 ところが、これはあまり成功しなかった。この、付加機能が失敗の決定的な理由とも思えないが、次期OSの「Windows 7」では、付加機能はダウンロード提供となっており、ユーザーが選択して使えるようになっている。