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鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

イノベーションなき20年の元凶はマークシート
入試改革から“日本を取り戻す”

鈴木寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]
【第22回】 2015年1月8日
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「ポスト戦後」への
人づくりへ勝負の年

 鈴木寛です。あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

 2015年は「節目」を意識し続けるものになるでしょう。まずは戦後70年。かの大戦を生き抜いてこられた世代の方々、とりわけ戦時中に大人だった方々は終戦当時20~30歳とすると、今年は90~100歳になります。軍人・軍属として最前線に臨み、あるいは空襲や原爆に見舞われる中で、我が子の手を取って一命を取り留めた方々の肉声をお聴きすることは、子どもの頃に戦争を体験された方々と違う意義があります。

 社会の一員として時代の困難に向き合った苦渋や葛藤があり、あるいは当時の意思決定層にあたる父親世代や上司の言動を傍らで見届けてきた体験を改めて若い世代に伝えていかねばなりません。ジャーナリストの堀潤さんが進めているアーカイブス化の取り組み等は大手メディアこそしっかりやっていただきたいと思いますが、「戦後70年」は、また機会を改めて書きたいと思います。

 「節目」といえば、今年は阪神淡路大震災とオウム真理教事件からも20年が経ちます。その年、1995年は「戦後史の転機」と位置付けられる一方、ウィンドウズ95の発売で本格的なインターネット時代が到来するなど、「ポスト戦後」の社会的パラダイムを私たちが試行錯誤する起点となりました。

 そこから20年経ってもまだポスト戦後の全容は見えてきませんが、過渡期=不確実性の時代をまずどう生き抜くかが問われます。

 既成概念が崩れ、ビジネスの日常にある種の「定型」が崩れたときに、どう思考を巡らせ、立ちまわることができるか。教育をライフワークにする私としては今年、新しい時代に対応した人づくりに向けた、重要な布石を置く勝負時だと思っています。その第一弾が大学入試制度改革です。

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鈴木 寛 [文部科学大臣補佐官、東京大学・慶応義塾大学教授]

すずき・かん/元文部科学副大臣、参議院議員。1964年生まれ。東京大学法学部卒業後、86年通産省入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。13年7月の参院選で落選。同年11月、民主党離党。14年から国立・私立大の正規教員を兼任するクロス・アポイントメント第1号として東京大学、慶応義塾大学の教授に就任。同年、日本サッカー協会理事。15年2月から文部科学大臣補佐官として大学入試改革などを担当している。


鈴木寛「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」

インテリジェンスとは「国家安全保障にとって重要な、ある種のインフォメーションから、要求、収集、分析というプロセスを経て生産され、政策決定者に提供されるプロダクト」と定義されています。いまの日本社会を漫然と過ごしていると、マスメディアから流される情報の濁流に流されていってしまいます。本連載では既存のマスメディアが流す論点とは違う、鈴木寛氏独自の視点で考察された情報をお届けします。

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