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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

原油価格と為替介入の観点から2015年の日銀を読む
「2%」はオデッセイ、「2年」はデルフィへ
――森田京平・バークレイズ証券チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第160回】 2015年1月14日
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原油価格:
5年8ヵ月ぶりに1バレル50ドルを割った

 2015年に入っても、原油価格の下落に歯止めがかからない。日本経済に影響しやすい原油価格は、東京ドバイ原油価格(東京原油スポット市場における中東産ドバイ原油の翌月または翌々月渡しの現物FOB価格)である。その東京ドバイ原油価格が、今月6日に49.9ドル/バレルと、2009年5月1日以来、5年8ヵ月ぶりに50ドルを割った(図表1参照)。

注:「東京ドバイ原油」は東京原油スポット市場における中東産ドバイ原油の翌月または翌々月渡しの現物FOB価格
出所:ブルームバーグよりバークレイズ証券作成

 昨年12月21日に、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源大臣が「原油価格が20ドル/バレルになってもOPECは減産しない」と明言したことも、売り安心感を強めたと考えられる。

量的・質的金融緩和(QQE):
いよいよ2年が経過する

 一方、日銀が2013年4月に「量的・質的金融緩和」(QQE)を始めて、間もなく2年が経つ。いよいよ「物価安定の目標」、つまり「CPI前年比2%」の実現が厳しく問われる。黒田日銀総裁もコアCPI(生鮮食品を除くCPI)について、「2015年度を中心とする期間に前年比2%程度に達する可能性が高い」と、12月の定例会見で明言している。

日銀のCPI見通し:
今月20~21日の決定会合で下方修正は必至

 日銀の物価見通しについては、前提となる原油価格や為替の水準は公表されていない。しかし、足もとで進む原油価格の急落を想定していたとは考えにくい。実際、日銀の2015年度コアCPIの見通しは前年度比+1.7%と、筆者(+0.8%)や市場コンセンサス(+1.09%)を大きく上回っている(図表2参照)。

注:1.筆者予測は実質GDPが12月8日、コアCPIが12月26日時点。
      2.コンセンサスは日本経済研究センター『ESPフォーキャスト調査(12月調査)』による。同調査の調査期間は11月25日~12月1日。
出所:日本銀行、日本経済研究センター『ESPフォーキャスト調査(12月調査)』よりバークレイズ証券作成
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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

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