ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
週刊・上杉隆

自民党の生死を決する最大争点、
道路一般財源化の行方

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第59回】 2008年12月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 政治報道はよく“数字”と“人事”だといわれる。

 確かに、予算額や税率、勉強会への議員の参加人数、選挙の得票数など、政治記者たちは血眼になって取材を繰り返す。また、党役員人事、組閣リストなど人事でも競って特ダネを追っている。

 そうした意味で、2008年の政治報道は、良くも悪くも、活況を呈していたのかもしれない。1月の福田内閣の改造の是非、平成20年度予算額、夏の内閣改造、自民党総裁選、そして、散々だった「解散日」報道――。

 確かに、どれも“数字”と“人事”を追った政治報道に違いない。しかし、その中でも“解散日”の予測だけはいただけない。果たしてそれを報道と呼んでいいものなのか、筆者はいまだに疑問を抱いている。

 解散・総選挙に関する報道で、日付の前打ちほど無意味なものはない。それは、政治家や役人など一部のプレイヤーたちと、選挙特番などで、事前の準備を必要としているメディア関係者だけの関心事にすぎない。

 むしろ、国民の興味は、いつ選挙をするかではなく、何を争点にどういった政策を示して総選挙を行うのかにあるのではないか。

 「10月26日」だろうが、「11月2日」だろうが、「11月9日」だろうが、「11月23日」だろうが、「11月30日」だろうが、実は大して意味があることとは思えない。しかも、これらの解散日を報じた政治記事は、結果、すべて外れている。

 果たして2009年の永田町では、一体どういった政策テーマのもと、国会審議が行われるのだろうか。またどのようなアジェンダ・セッティングが為され、総選挙に突入するのだろうか。

 2009年に限れば、「解散日」報道が示す通り、もはや“数字”は重要な材料ではないかもしれない。1月5日からの通常国会で審議されるのは、いずれも国民生活にとって重要な課題であり、本来、政治報道の場でも十分論じられるべきテーマばかりなのだ。

 そこで今回は、論争になるテーマを予測し、2009年の政界を展望してみようと思う。

不人気な定額給付金
法案通過はほぼ確実

 通常国会の最初の山場は、「定額給付金」の問題になるだろう。先送りされた第二次補正予算に含まれるこの法案は、当初は、総選挙を意識した公明党から出されたものだった。だが、世論の7割が反対という結果を受けて、「定額給付金」は迷走を開始。仮に法案が成立しても、国民ひとり当たり1万2千円では、この不況下では貯蓄に回り、景気対策としての効果が薄いなどの批判が続出した。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く

「お腹の調子が悪い」と政権を投げ出した安倍首相。「あなたとは違うんです」と逆ギレして職を辞した福田首相。そして漢字と空気が読めず政権崩壊寸前の麻生首相。この国の政治の混迷とメディアの体たらくを上杉隆が斬る。1500円(税込)

話題の記事

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


週刊・上杉隆

永田町を震撼させる気鋭の政治ジャーナリスト・上杉隆が政界に鋭く斬りこむ週刊コラム。週刊誌よりもホットで早いスクープ情報は、目が離せない。
2011年12月終了、後継新連載「週刊 上杉隆」はこちら

「週刊・上杉隆」

⇒バックナンバー一覧