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日本にカジノは必要か?

ラスベガス、マカオ、シンガポール。
カジノ主要都市は、それぞれ収益モデルが違う

古嶋 雅史 [アクセンチュア]
【第3回】 2015年1月26日
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 昨年末の衆議院解散総選挙での自民党圧勝を受けて、いわゆるカジノ法案は前進すると思われる。これまで書いてきたとおり、仮にカジノ法案を進めるとしても国民にとって適切な情報開示を行うと同時に、何が論点かを示していく必要がある。

 (カジノを含む)統合型リゾートをどういった規制でどのようにコントロールしながら、どの程度のメリットを誰が享受していけるのか、これはまさに国民が知りたいテーマではないだろうか。

 これらのカギを握っているのが、カジノ運営会社(いわゆるカジノオペレーター)である。日本にはカジノの運営ノウハウ、またカジノを含む統合型リゾートの開発実績が乏しいため、海外で実績のあるカジノオペレーターの協力が必須と言われているからだ。カジノオペレーターとはどういった存在なのか、彼らをよく理解した上で、どうすれば日本にとって効果的に巻き込んでいけるかを整理していきたい。

カジノオペレーターの収益構造は
進出している都市で大きく異なる

 一般的に、企業の収益構造は、扱っている製品やサービスによって異なっていることが多いが、カジノビジネスの収益構造は進出している都市・エリアによって大きく異なる。統合型リゾートというのは、カジノ、飲食、ショッピング、ショーやイベント、宿泊等のサービスで構成されているが、その構成比が都市によって大きく異なっている。

 カジノビジネスで成功している代表的な3つの都市・エリアを比較してもその違いは顕著である。構成比率が異なるということは当然ながら“稼ぎ方のコツ”が異なってくるため、カジノオペレーターはどの都市・エリアで収益をあげているかを見れば、何が強みなのか、その特徴がわかるようになっている。

 例えば、世界最大のカジノオペレーターと言われているLas Vegas Sands社は、マカオとシンガポールでの成功によりトップになったことからもわかるように、収益の多くはアジアとなっている。また最大手の1社であるMGM Resorts International社はラスベガスでのM&Aを通じて大きくなってきており収益の多くはアメリカとなっている。

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古嶋 雅史 [アクセンチュア]

こじま・まさふみ/アクセンチュア 通信・メディア・ハイテク本部 メディアエンターテイメント統括 マネジング・ディレクター。京都大学工学部卒。1999年にトーマツコンサルティング(現デロイトトーマツコンサルティング)入社。同社の情報・メディア・通信グループ統括パートナーを経て、2011年にアクセンチュア入社。アクセンチュアではメディア・エンタテイメント業界統括として、メディア・エンタメ企業をはじめ、通信やハイテク企業に対するサービス事業検討も手掛ける。また、当業界に絡む政策提言を、総務省や経済産業省、内閣府等に対して継続的に実施。主な共著「パブリックディプロマシー戦略」など。

 


日本にカジノは必要か?

カジノをめぐる是非の議論は、すでに10年以上も続いているが、安倍首相の前向きな発言を受け、にわかに報道も過熱している。日本にとってカジノは必要なのか、そしてカジノは何を生み出すのか。本連載は、客観的なデータと海外の事例を含め、日本の統合型リゾートのあり方を考えていく。

「日本にカジノは必要か?」

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