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日本と世界の重要論点2015

【2015年の女性の働き方】
女性に続き、LGBTも表舞台で活躍できる社会到来?

――渥美由喜・前内閣府前少子化危機突破タスクフォース政策推進チームリーダーに聞く

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第12回】 2015年1月23日
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「女性活躍推進」をアベノミクス3本目の矢である成長戦略の重要な柱としてきた安倍政権。しかし、女性の社会参加を後押しすると言われた、いわゆる『女性活躍推進法案』は昨年12月の解散総選挙を前に廃案となり、「(女性活躍推進が)後退するのでは…」と懸念する声と、「見直しの契機」と期待する声がある。果たして2015年以降も安倍政権に女性活躍推進を期待することはできるか。渥美由喜 前・内閣府前少子化危機突破タスクフォース政策推進チームリーダーが、2015年以降の女性活躍推進に向けた政治と企業の動きを予測する。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林 恭子)

「あの安倍首相でさえ…」が推進力に
女性活躍推進がかつてなく動いた2014年

――2014年までの安倍政権における女性活躍推進政策への評価は?

あつみ・なおき
前・内閣府少子化危機突破タスクフォース政策推進チームリーダー、厚生労働省政策評価に関する有識者会議委員(東レ経営研究所 研究部長) 。1968年生まれ。東京大学法学部卒業後、(株)富士総合研究所を経て2003年、(株)富士通総研に入社。 若手ながら国内でも有数の少子化対策・ワークライフバランスの専門家として、内閣府の「少子化対策推進会議」「ワークライフバランス官民連絡会議」「子どもと家族応援戦略会議」等の委員も務める。著書に『少子化克服への最終処方箋』(島田晴雄氏との共著・ダイヤモンド社、2007年)などがある。

 私は女性活躍に関する研究を始めて23年目になりますが、今が一番動いていると実感しています。安倍首相自身はもともと女性活用に関心のない、価値観でいえば正反対の人で、第一次政権時は男女共同参画にかなり冷ややかな態度を取っていました。皮肉なことですが、そんな右派政権が女性活躍推進に踏み込んだことこそが大きな成功要因だと思っています。

 つまり、右派政権でさえ女性活躍推進を言わざるを得ないほど日本は遅れた状況にあり、そのことが大きな反発を引き起こさず、順調に進む最大の理由なのです。ですから、これはタイミングの問題だったとも考えられます。

 まず、日本は経済的にとても厳しい状況に追い込まれており、大きくパラダイムシフトを必要とする雰囲気にありました。そうしたなか、これまで正反対の考えを持っていると思われた安倍首相が女性活躍推進を唱え始めたことで「安倍さんでさえ言うんだからしょうがない」と思った財界関係者は多いのではないでしょうか。さらに、経済界的にはアベノミクスを成功させなければならないタイミングですから、基本的に政権の言うことには総論賛成というのも大きな要因だと思います。

 また、これまで女性活躍ブームは何回もありましたが、男女雇用機会均等法が典型のように、制度はできても職場レベルでの実態の改善はまだまだでした。それは多くの会社が女性をこれまでの男性並みに働かせようという考え方だったからです。しかし、これから人口減少社会が進み、人の奪い合いになるなかで、男性だけで労働力をまかなうのは不可能です。一方で企業は、採用時に優秀なのは女子学生の方が多いと言われる状況に気づきはじめた。そこで、もっと子育て中の女性をはじめとする、制約社員を活かせる職場になるべきという動きが広がってきたタイミングでもあったでしょう。

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2015年、国内では14年末の総選挙で与党が大勝し第三次安倍内閣が発足、長期安定政権の誕生で政策課題への取り組みの進捗が注目を集める。国際的には中東で「イスラム国」が台頭、経済制裁とルーブル暴落でロシア情勢が不安定化し、国際政治は混迷が深まりそうだ。そんな状況下の2015年、重要論点ごとに、その課題と展望を探る。

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