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異物混入は防止できない!
企業が迫られる発想転換の本質(下)

――垣田達哉・消費者問題研究所代表に聞く

ダイヤモンド・オンライン編集部
2015年1月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
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>>異物混入は防げない! 企業が迫られる発想転換の本質(上)から続く

かきた・たつや
消費者問題研究所代表、食品問題評論家。1953年生まれ。岐阜県出身。77年慶應義塾大学商学部卒業。食品表示アドバイザーとして『選ぶならこっち~食べて安心な食品の見分け方~』など著書多数

 そもそもマクドナルドは、昨年12月に福島県郡山市の店舗で起きたデザート商品へのプラスチック片混入については、自社工場の機械が破損して破片が混入したのではないかと、おおよその見当はついていたはず。しかし同社は、1月の会見までそれを隠して、約2600台ある機械の点検もしなかったそうです。

 幸い、デザートを食べた子どもは口の中を切るケガをしただけでしたが、万一飲み込んで胃の中に入っていたら、どうなっていたことか。危機管理意識が低いと言わざるを得ません。これでは、会見を開いて謝罪しても、消費者の怒りを買うだけ。売り上げ低迷が続く中で、同社の中にモラルハザードが起きているのではないでしょうか。もはやトップから意識改革を行って、出直すしかないでしょう。

食品偽装表示・誤表示問題を
彷彿とさせる事後対応の悪さ

―― 一昨年末に起きた食品偽装表示・誤表示問題でも、企業の対応の悪さが消費者の怒りを呼び、騒動が瞬く間に広がって行きましたね。今回の件は、当時を彷彿とさせます。

 偽装・誤表示問題の皮切りとなったのは、阪急阪神ホテルズ。阪急は自ら偽装を調査して公表しました。そこまではよかったのですが、記者会見の仕方が悪くて、イメージダウンにつながってしまった。7年も前から47品目で偽装していたのに、それを誤表示だと言い放ったこと、発表基準の問題などで公表が遅れたことなど言い訳が多く、カチンと来た記者とケンカになり、会見は延々3時間にも及びました。あのとき、「偽装と言われても仕方がない」と殊勝にコメントしておけば、何の問題も起きなかったはずです。今回のマクドナルドの会見に、つながる教訓がありますね。

 結局、それらの騒動を見て恐れをなし、「内部告発やマスコミに刺される前に公表してしまおう」と考える企業が続出、偽装・誤表示が次々と明るみに出たのです。結果的に偽装・誤表示の公表は、47都道府県で300件以上に及びました。

―― ぺヤング事件をはじめ、一連の騒動において特徴的だったのは、異物が混入した食べ物の画像を、自分の判断でネットにアップする消費者がいたことです。それをきっかけに、ネット上で騒動が瞬く間に拡散して行った。なぜこのような現象が生まれたのでしょうか。

 今回は、異物が混入した食べ物の画像や映像が、消費者心理に大きな影響を及ぼしました。写真や映像のインパクトは、ものすごく大きい。たとえば、以前問題になったマックの中国工場の映像では、床に転がった肉を見て、誰もが心底不潔だと感じた。

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