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相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

36年ぶりの村長選を制した69歳新人村長の“決意”

相川俊英 [ジャーナリスト]
【第126回】 2015年1月27日
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住民主体でないと活性化はならず
無投票でトップが決まり続ける弊害

 地方創生を掲げる安倍政権は、4月の統一地方選も意識してか、様々な取り組みを打ち出している。自治体支援の体制強化や新型交付金の創設、地域再生計画の認定などだ。

 しかし、地方創生の主役(担い手)は国(政府)ではなく、地方である。それも自治体ではなく、1人ひとりの住民だ。国や自治体任せで疲弊した地域が活性化できるはずはない。地域住民自らが主体となって動き出さなければ、どんなに予算を投じても再生への道は切り開けるものではない。

 そうであるからこそ、首長や地方議員の役割は重要だ。いつまでもお任せ意識や惰性、しがらみなどで漫然と選んでいるわけにはいかない。

 4月の統一地方選挙を待たずに各地で首長選や議員選が行われているが、おととい(1月25日)投開票された小さな村の村長選を紹介したい。36年ぶりの村長選となった新潟県弥彦村である。4選を目指す現職に挑んだ新人が、700票近くの差をつけて初当選した。

 新潟県のほぼ中央に位置する弥彦村は、人口約8500人。「弥彦神社」や「弥彦競輪」で知られる観光と農業の村だ。競輪の収益が村の財政を下支えしてきたこともあり、「平成の大合併」とは距離を置き、村は単独路線を歩んでいる。

 そんな弥彦村では1979年の村長選を最後に、8回連続して村長選が無投票となっていた。立候補者が1人しか現れず、選挙なしで村のトップが決まっていたのである。それが当たり前のように受け止められていた。そこにはこんな要因があった。

 新人同士の一騎打ちとなった1979年の村長選は、村を二分する大激戦となった。両候補が掲げた政策に大きな違いはなく、人柄や人間関係、しがらみ、地縁などを競う典型的なムラの選挙となった。家族内でもどちらを推すかで揉め事になるなど、ドロドロの争いとなってしまった。

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相川俊英 [ジャーナリスト]

1956年群馬県生まれ。放送記者を経て、1992年にフリージャーナリストに。地方自治体の取材で全国を歩き回る。97年から『週刊ダイヤモンド』委嘱記者となり、99年からテレビの報道番組『サンデープロジェクト』の特集担当レポーター。主な著書に『長野オリンピック騒動記』など。


相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

国政の混乱が極まるなか、事態打開の切り札として期待される「地方分権」。だが、肝心の地方自治の最前線は、ボイコット市長や勘違い知事の暴走、貴族化する議員など、お寒いエピソードのオンパレードだ。これでは地方発日本再生も夢のまた夢。ベテラン・ジャーナリストが警鐘を鳴らす!

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