経営 X 人事

マネジャーを育てるように
社長を育ててはいけない

 この連載の初回で、「戦略人事とは、最高のパフォーマンスを出すために、人と組織をどう使うかということを考えること」だと述べ、そのために行うべきことを9つ挙げました。

【戦略人事が具体的に行う9つのこと】
1.社長をつくる
2.会社のミッション・ビジョンを伝え、徹底する
3.戦略を、心を震わすストーリーに変える
4.さぼらせない仕組みを回す
5.組織のレイヤーを減らす
6.人を発掘し、育て、活かす
7.モチベーションを高める
8.勝つためのカルチャーをつくる
9.エンゲージメント、愛着心を育む

 以降の回では、この9つの要素について解説していきます。

 まず今回は、1.社長をつくる ことについてです。

 企業の人事と言えば、マネジャーを育てることが役割のように考えられがちですが、私は、人事の役割は、「社長を育てること」――別の言い方をすれば、「リーダーを育てること」だと考えます。

 マネジャーを育てることも社長を育てることも、大した違いはないだろうと言う人もいるでしょうが、実はこの2つは、大きく異なるものです。

 マネジャーの役割は、決められたことを確実に実現していくこと。

 一方、社長の役割は、混沌とするビジネス環境の中で、組織の進むべき方向性を見定め、その方向に組織を率いて進み、目標を達成することです。

 したがって、マネジャーと社長では、求められる資質や育成方法も異なるのです。

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八木洋介

1955年生まれ、京都大学卒業。1980年日本鋼管(NKK、現JFEスチール)に入社。人事などを歴任し、1999年から13年間はGEに勤務。複数のビジネスにおいて日本およびアジアの人事責任者を歴任。2012年4月より現職。著書に金井壽宏氏(神戸大学教授)との共著『戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ』(光文社)がある。


勝つ組織をつくるための戦略人事塾

NKKやGEで人事の要職を歴任し、現在はLIXILグループで執行役および人事の責任者を担う八木洋介氏が、経営に資する「戦略部門としての人事」とは何かを解説する。

「勝つ組織をつくるための戦略人事塾」

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